継続する植民地主義―ジェンダー/民族/人種/階級

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継続する植民地主義―ジェンダー/民族/人種/階級

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  • サイズ A5判/ページ数 393p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784787232403
  • NDC分類 220
  • Cコード C0036

出版社内容情報

総力戦体制の戦後への連続と再編――。「動員」「分断」「ジェンダー」「民族」などの視角から、戦中から戦後までを貫く東アジアの植民地主義と総動員体制の変容を見定め、輻輳した「戦後」という時空間を解きほぐす。戦後責任に正面から応答する試み。

はじめに――「継続する植民地主義」の再審のために 李孝徳

Ⅰ 東アジアの「戦後」を問う

 東アジアで「戦後」を問うこと――植民地主義の継続を把捉する問題構成とは 中野敏男

Ⅱ 分断の原史

 占領支配の構造とその変容 荒 敬
 顕現する「国境」――沖縄与那国島の密貿易終息の背景 屋嘉比 収
 占領軍への有害な行動――敗戦後日本における移民管理と在日朝鮮人 テッサ・モーリス‐スズキ/辛島理人訳
 「反革命」秩序の形成と在日朝鮮人 崔徳孝
 コラム◆沖縄の人々と在日朝鮮人を繋ぐもの 崔真碩

Ⅲ「戦後」を構成する暴力

 「戦後」を構成する暴力 米山リサ/金富子/李孝徳

Ⅳ 植民地主義の継続とジェンダー

 植民地期・解放直後の朝鮮における公娼認識――女性の身体をめぐるナショナリズムとジェンダー 金富子
 基地村の発生と展開――ユングミ事件が突きつけること 尹京順
 忘れられた小説『灰色の丘』のこと――「引揚げ」体験とジェンダー 成田龍一
 密航・民族・ジェンダー――「在日朝鮮人文学」にみる《人流》 高和政
 暴力の表象と沖縄文学の「戦後」――一九五〇年代をめぐ

内容説明

総力戦体制の「戦後」への連続と再編―いまなお東アジアに息づく植民地主義を「生活世界の植民地化」「動員」「ジェンダー」などの視座から照射して、生活者たちのまなざしに寄り添いながら「戦後」の時空間変容の意味を捉え返す。輻輳した「戦後」を解きほぐし、植民地主義という暴力の臨界点を探って、戦後責任に正面から応答する試み。

目次

1 東アジアの「戦後」を問う(東アジアで「戦後」を問うこと―植民地主義の継続を把捉する問題構成とは)
2 分断の原史(占領支配の構造とその変容;顕現する「国境」―沖縄与那国島の密貿易終息の背景 ほか)
3 「戦後」を構成する暴力
4 植民地主義の継続とジェンダー(植民地期・解放直後の朝鮮における公娼認識―女性の身体をめぐるナショナリズムとジェンダー;基地村の発生と展開―ユングミ事件が突きつけること ほか)
5 戦後理解と植民地主義(植民地支配責任を定立するために;戦後詩と戦後歴史学―一九五〇年代の叙事詩的渇望の史学史的文脈 ほか)

著者等紹介

岩崎稔[イワサキミノル]
1956年生まれ。東京外国語大学外国語学部助教授。専攻は哲学、政治思想史

大川正彦[オオカワマサヒコ]
1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部助教授。専攻は政治思想史、政治理論

中野敏男[ナカノトシオ]
1950年生まれ。東京外国語大学外国語学部教授。専攻は社会理論、社会思想

李孝徳[イヒョドク]
1962年生まれ。東京外国語大学教員、季刊「前夜」編集委員。専攻は表象文化論
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