出版社内容情報
十七世紀初頭、ふたつのパンフレットと『化学の結婚』という小説の刊行を機に突如出現した秘密結社「薔薇十字団」。瞬く間にヨーロッパ中に広がり、西洋思想の影の潮流として、のちにデカルト、ニュートン、ゲーテにも影響を及ぼし、人びとの想像力に訴えつづけてきた。この謎に包まれた結社の真相を解明する。
内容説明
17世紀初頭、2つのパンフレットと「化学の結婚」という小説の刊行を機に突如出現した秘密結社「薔薇十字団」はたちまちのうちにヨーロッパ中に広がっていった。のちにデカルト、ニュートン、ゲーテらに少なからぬ影響を与えた、この西洋思想の影の潮流の見取り図を与えてくれる概説書。
目次
第1部 薔薇十字団の創造過程(事実;原宣言の分析;『クリスチャン・ローゼンクロイツの化学の結婚』;薔薇十字団の謎)
第2部 伝統における薔薇十字団(神話的祖先;先駆者;薔薇十字団からフリー・メーソンへ;薔薇十字団の光輝;薔薇十字団の再興)
第3部 薔薇十字の象徴体系
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Saiid al-Halawi
6
『化学の結婚』に取り組むため読了。これはあれだね、『フーコーの振り子』を読み返したくなるね。2013/02/13
なつきネコ
5
ふむ、かなり難しい。入門書の気持ちで読んだけど、これは後悔。薔薇十字と言う者がヨーロッパで、どれほど影響があったのかはわかった。しかし、数々の暗喩で、秘された知識を求める者が熱中したんだろう、しかし、物語を読むと、ヨーロッパの物語によく見る魂の成長譚。たぶん、パラケルススの1459は輪廻思想のなかで、その年にパラケルススになりえるなにかがあったのかな。2015/12/09
吉岡
5
グノーシス、カバラ、ヘルメス主義、錬金術、神智学、魔術の近代、現代への継承=薔薇十字団。 諸々のキーワードの確認および「東方巡礼」とりわけ「ファウスト」の隠喩を解くキーワードの習得。 王、貴族、文豪などを多数魅了した薔薇十字団の性質は不確か。 確かなことは時代と名前が変化してもアダムが天使から教わった知識の継承者が名乗りを上げること。 衰退論ではなく円環論。2014/08/15
satoshi
3
レッシング、ヘルダー、ゲーテ、ヴィーラント、さらにはゲオルゲ、ホフマンスタール、ヘッセとドイツ文学史に必ず出てくる作家たちがことごとく薔薇十字団の存在とその思想に刺激されていたということに驚いた。/澁澤龍彦が訳したシュペルヴィエル『ひとさらい』をずっと前からほしいと思ってるんだけど、その本の出版元の名前が薔薇十字社。どういう出版社だったんだろう。2012/02/03
junne
2
文庫クセジュは読みにくい印象があるのがこれもそうだった。訳文との相性が悪いのかな……2023/02/17
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- 和書
- これが本当の朗読だ