出版社内容情報
少女を狙った前代未聞の連続誘拐事件。身代金は合計70億円。捜査を進めるうちに、子宮頸がんワクチンにまつわる医療界の闇が次第に明らかになっていき――。孤高の刑事が完全犯罪に挑む!
内容説明
記憶障害を患った15歳の少女、月島香苗が街中で忽然と姿を消した。現場には「ハーメルンの笛吹き男」の絵葉書が残されていた。その後少女を狙った誘拐事件が連続して発生、被害者は、子宮頚がんワクチンの副反応による障害を負った者と、ワクチン推進派の医師の娘だった。そんな中「笛吹き男」から、計70億円の身代金の要求が警察に届く。少女の命と警察の威信を懸け、孤高の刑事が辿り着いた真実とは―。人気シリーズ第3弾!
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
339
図書館の新刊コーナーでみつけて読みました。中山七里、『切り裂きジャックの告白』に続いて2作目です。複数犯も結末も予想出来ましたが、旬の社会派ミステリとして愉しめました。厚労省は、新薬の認可には過剰に慎重で時間をかけるのに、問題が発生した場合の対応の遅さは何故でしょうか?子宮頚がんワクチン薬害問題の早期解決を願います。こんなことをしていたら、なおさら出産する人が減少し、少子化対策何て絵に描いた餅になってしまいます。2018/01/08
イアン
209
★★★★★★★☆☆☆ドイツの伝承をモチーフとした刑事犬養隼人シリーズ第3弾。記憶障害を患う少女を皮切りに、計7人の少女が誘拐された。その後「ハーメルンの笛吹き男」を名乗る犯人から70億円を要求する声明が届き…。医療を絡めた社会派ミステリだが、リアリティよりエンタメ性を重視した構成となっている。子宮頸がんワクチンの副作用で実際に記憶障害の症例があることを初めて知った。巻末に「この作品はフィクションであり、実在の個人、団体とはいっさい関係ありません」とあるが、厚労省や製薬会社の職員は面白くないだろうなと思う。2022/05/11
SJW
205
犬養刑事がまた活躍するストーリー。子宮頚がんワクチンを受けたことにより記憶障害を患った15歳の少女が街中で拐われてしまう。その後、ワクチン推進派の医師の娘、その他5名の少女が誘拐される。犯人のプロファィリングとしてワクチンの関係者が考えられるがなかなか犯人を絞り込めずに苦しむ犬養刑事に同情してしまった。自分達の利益のためなら被害者に気のせいだと説明し、自己保身する厚労省や製薬業界が癒着するという許せない構図には腹が立った。小説なので誇張もあるだろうが、昨今の厚労省の不祥事を見ているとさもありなんと考える。2019/01/31
キムトモ
156
シリーズ読破しておりませんが…一番面白かったかなぁ〜〜読書中…高村女史の「レディジョーカー」を想起してしまいました🤔レディジョーカーは名刑事合田と犯人側の風景が密度が濃い内容で読ませるのですが、今作は犯人探しにも焦点が当たっていることから一回りスケールの小さいレディジョーカーな印象が残りました…子宮頸がんワクチンってスペシャルな題材に注目した筆者に👏です👍お勧めです👍👍👍👍👍(ノ-_-)ノ~┻━┻さあ犬養刑事最終章へ2020/04/07
金吾
111
○最後まで二転三転する展開は面白かったです。話は深いものがあり、金と権力のためには道義心や職業倫理も失っていくということは多々ありそうなことだなあと思いました。2022/02/01