出版社内容情報
外国語を身につけようと思ったら、まずは日本語をきたえましょう。日本語でできないことは、外国語でもできません。それでは、日本語でどのようなことを学べば、外国語が理解できるようになるのでしょうか。その疑問に、この本がこたえてくれます。
目次
第1章 外国語と日本語の違いを意識する(日本の国語教育では外国語の習得に対応できない;国語教育の弊害 ほか)
第2章 翻訳できる日本語へ(主語を意識する;「あれ」の中身を認識する ほか)
第3章 「対話」の技術(かみ合った対話―羅列型と問答型;問答トレーニングの意味と目的 ほか)
第4章 「説明」の技術(わかりやすい説明(描写)とは何か
「描写」のレッスン―どのように見えるのか ほか)
著者等紹介
三森ゆりか[サンモリユリカ]
つくば言語技術教育研究所所長。そのほか、麗沢中学・高等学校、茨城県立水戸看護専門学院、朝日カルチャーセンターなどで講師を務める。また、平成13年度文化庁主催「国語施策懇談会」パネリスト、平成14年度文化庁主催「日本語教育大会」パネリストも務める。東京生まれ。中学、高校の4年間を旧西ドイツで過ごす。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。株式会社丸紅勤務後、上智大学文学部博士前期課程中退。1984~1988年に外交官の子弟を対象とするドイツ式作文教室、1990年につくば研究学園都市に「つくば言語技術教室」(現「つくば言語技術教育研究所」)を開設する
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たま
51
『外国語を身につけるための日本語レッスン2』を読み、遡って1にあたるこの本を読んだ。著者の考えや活動は、Jリーグでの指導(若い選手に自分の考えや要求を言語化する技術を指導している)がメディアで取り上げられ、関心をもっていた。この本の内容も頷けるところが多いが、最近読んだ記事によればサッカー協会は「あえて集団からはみ出すような個性や自己主張を促す指導」※の見直しを検討していると言う。私はもっと自己主張があって良いし※※、何よりもそれを社会が受け止める力がまったく欠乏しているのが問題だと思う。2023/11/24
魚京童!
18
秩序だった概念を日本語で表現できなければ、英語習得にカネをつぎ込んでも一言も口がきけないはずである。2014/04/18
アリーマ
17
外国語を身につけたい日本人にとって、一番高いハードルは「日本語の論理」だと英語を教える現場で痛感してきた。英語を読み書きする時、日本語的な論理構成に引きずられていると、文法的には整合していても読み手には意味不明なものが出てきてしまう。そこを如何に解消するかの一つの解として、わかりやすく具体的な素晴らしい提言。日本の国語教育の問題点も明確に示されている。しかし発刊から20年近く、結局日本の教育の現状はあまり変わっていないのが悲しい。なんとかもう少し前向きな動きに繋げられないだろうかと切実に思った。★★★★★2021/04/08
Aki
16
タイトルに惹かれて読了。同テーマで多くのことが語られているが、本書は具体的で腹に落ちやすかった。英語と比較した日本語の表現の違いを言語文化から説明し、その後日本語での論理的表現の実践例に入っている。本書では詳細に触れられていない、クリティカルリーディングも学んでみたい。2019/12/08
koike
11
なるほどなぁーと、思った。日本語の奥ゆかしさは、外国では短所にしかならない。日本語のトレーニングは大切。2015/07/21