内容説明
マリー=アントワネットの朗読係をつとめる女性の眼を通してあざやかに描かれるヴェルサイユ運命の三日間。フェミナ賞受賞小説。
著者等紹介
飛幡祐規[タカハタユウキ]
1956年、東京生まれ。74年渡仏。パリ第五大学で文化人類学、第三大学でタイ語、東南アジア文明を専攻。在パリ。雑誌・新聞に記事やエッセイを寄稿
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
若黎
5
再読。初読は読んだけどよくわからなかった。 今回はバスティーユ襲撃から逃亡までの3日間の貴族の動き、ポリニャック一族の動きが理解できた。マルティーヌ・ガブリエル・ド・ポリニャックの名前が出てきたときは、おおーっと思ったが、他で見かける悪女のイメージはあまりなかったな。2023/04/09
Mana
5
マリー・アントワネットの朗読係の見たフランス革命のベルサイユの話。物語が彼女の目線で進んでいくので事態の伝わらなささにもどかしくなってくる。読み進めながらだんだん息苦しくなってきてしまう。何がなんだか分からないままに気がついたら全てが終わってしまっている感じ。ベルサイユが凄く身体的に描かれていた。2013/01/23
星落秋風五丈原
4
歴史的に大きな出来事が起こる時、決まってこう聞かれる。 「何か予兆があったはずなのに、なぜ事が起こるまで分からなかったのか?」 フランスでも一、二を争う重大事、1789年の革命において言うなら、確かに予兆はあった。しかし、どんなに予兆があったとしても、見ようとしない者には見えない。そして見えない人にとっては、予兆は無いのと同じ事。また、そういう思考だったからこそ、革命が起こってしまったとも言える。 マリー・アントワネットもまた、「見えない人」の一員だった。いや、彼女こそが「見えない人」の中心にいた。2006/04/18
おふろ
3
破滅へと向かうルイ16世の治世。華やかな場所であったはずのベルサイユ宮殿は朽ちて行く。王妃の朗読係が見つめた3日間。映画は朗読係、マリーアントワネット、ポリニャック夫人の心の葛藤に焦点があって、小説はベルサイユ宮殿の滅びと、滅んでもなおかつての住人を思い出に縛り付ける姿を描いてるように思った。どちらも是非!2012/12/18
てり
1
王妃の朗読係が語る革命の3日間。世間とは隔絶されたような宮殿の中で徐々に広まっていく緊迫感。女性視点での宮殿のようすがとてもリアル。とても女性的な作品に感じられた。2020/09/13
-
- 和書
- 伊達の史蹟めぐり