内容説明
10歳のエルネストは美少年で優等生。でも母を亡くし、父が家を出て行方不明の彼の生活は、祖母と二人きりの味気ない毎日。そこに現われた転校生の少女ヴィクトワールはなんと十四人兄弟の大家族の一員。彼女はひと目でエルネストを未来の夫と決めてしまったが…。欧米で16の賞に輝いた愉快で元気の出るヤングアダルト小説。
著者等紹介
河野万里子[コウノマリコ]
1959年生。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。国際翻訳賞新人賞受賞(1993年)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
12
少し強引なくらいの友だちに引っ張られるようにして、自分のまわりには広い世界があること、たくさんの人がいること、たくさんの生活があること、などに気がつき、少しずつ世界を広げ、無着色だった生活が彩色されていく過程を読むのが楽しい。わたしたちは、なんて色彩豊かな世界で暮らしていたんだろう、と改めて周りを見回したくなります。2010/07/05
april-cat
8
純粋に面白かったです。ただ、おばあさんやお父さんのような、こういう弱さは好きじゃない。だからこそエルネストやヴィクトワールの強さと逞しさが光るわけですが。2012/06/25
星落秋風五丈原
4
ヴィクトワ―ルとの出会いでエルネストも家もずんずん変わっていく様子が、 コミカルに描かれる。その中でエルネストはいくつもの『初めて』に 出逢う。といっても、実は同年令の子達は、もうとっくに体験済みのもので、 特に目新しいわけではない。けれど、エルネストが初めて出逢ったエレベーターや 公園の散歩に感動する様を読んでいると、「目新しくない」からと切って捨てるのは 勿体無い。むしろ、これから、いっぱい『初めて』を経験する楽しみがあるエルンストをとても羨ましく思う。一回きりの貴重な出逢い『初めて』の尊さ。 2005/12/02
みずけろ
3
とてもステキな本だった! 火の玉娘ヴィクトールの弾けるような元気さとまっすぐさがこころ強く、それによってエルネストの日常が変わっていく…そのいくつもの出来事すべてが愛おしくなります。日曜日の作文や初めての手紙など、要所要所にでてくる手紙たちがいとしくて、胸が切なくなりました。もっと世に知られてよう本。2015/02/11
にしき よう
3
ヴィクトワールの兄弟の数があそこまで多い必要性はあったのかな?と思いつつも、エルネストとおばあさんの世界が開いていくのが心地よくて、一気に読んでしまった。人間生きていくうちには留まってしまうこともよくあることだけれど、「生きる」ためには思いを口にし人と交わること、外に出てまわりを見渡すことが必要、といったシンプルなことが伝わってくるキュートな小品だった。読書メーターがなければ出会えない一冊でした。感謝!2010/08/21
-
- 和書
- 世界の楽しいインテリア
-
- 和書
- 〈全体最適〉の保険ALM