チューリップ熱

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  • サイズ B6判/ページ数 303p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560047217
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

繁栄を誇る17世紀のアムステルダムに燃えあがる豪商の若妻と貧しい画家の不倫の炎。折からのチューリップ投機熱を利用した愛人たちの策謀は成功するのか。小説の面白さここに極まる。カラー図版多数。【スピルバーグによる映画化決定】
【編集者よりひとこと】
 17世紀のオランダと言えば、世界の海を制覇し、貿易によって空前の経済的繁栄を見た時代。レンブラントやフェルメールらの巨匠が登場し、富裕な市民たちはこぞって家族の肖像を描かせた。頁を繰るのももどかしいという表現が誇張ではないこの小説は、そんな当時の市民や芸術家の生活にもうひとつ、チューリップへの投機熱を交えて、小説的興奮を盛り上げる。スピルバーグが惚れ込むのも無理はない。

内容説明

フェルメールの絵のように謎めいた運河の街アムステルダムに燃え上がる不倫と策謀の炎。当時の名画を豊富にあしらい、小説の面白さを極めた傑作。

著者等紹介

モガー,デボラ[モガー,デボラ][Moggach,Deborah]
現代イギリスを代表する女性作家の一人。これまでに12冊の長編と2冊の短編集がある。北ロンドン在住

立石光子[タテイシミツコ]
1981年、大阪外国語大学英語科卒。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kasim

25
チューリップ・バブルには興味があって別の歴史書を読んだことがある。フランドル絵画のチューリップの凄絶な美しさが、誇張ではなくウイルスが原因で時代限定だったと知った時は感動した。こちらは小説。前半の主人公の不倫が昼メロ的に凡庸で不安を感じたが、後半持ち直し歴史エンターテインメントとして面白かった。解説にもあるが、寝取られ亭主がただの愚か者に描かれていないのがいい。芸術とカネ、女主人と使用人の関係をもっと書き込んだらすごかっただろうな。あとはやっぱり、チューリップの濃厚な描写が欲しかった。2018/06/02

やまはるか

13
 イギリスの女流作家による17世紀オランダを舞台にした物語、画家と貿易商の若い妻との恋愛を軸に展開する。物語の中でフェルメールなどその時代の画家に触れ、彼らの16点の絵画が挿入されている(巻末に装画一覧)。美しいカラー装画に惹かれて未知の作家の本を読むことになった。数ページの短い章に人物名が振られてその人の視点で語られるが、一つの章をひとりの人物だけに焦点を当てて語り切ることは出来ず、ブレが気になった。物語の中に出てくる自在に手足の曲がる人形らしいものが装画「アトリエの画家」に描かれている。2021/07/24

ブラックジャケット

10
17世紀、オランダが重商主義で世界の覇権を握った時代。その象徴はレンブラントを代表とする絵画、そしてバブル経済を絵に描いたチューリップ熱。さあ、物語の背景は色がたっぷりのった油絵だ、面白くならないわけがない。貿易で財をなしたコルネリス、没落した家から若い後添えをもらった。先妻は二人の息子を成したが、三人とも産褥で命を落とす。コルネリスは後妻のソフィアを可愛がる。画家を招き家族の肖像を制作する。ところが画家とソフィアが浮気。脇筋の女中マリアを巻き込んでの仰天偽装妊娠事件を計画。 オランダ版ソープ・オペラ。 2019/05/04

BECHA☆

8
レンブラントやダヴィンチの時代のオランダ。豪商のコルネリスの後妻に入った24歳のソフィアと同い年の女中のマリアの暮らしにコルネリス夫妻の肖像画を請け負った新進画家のヤンが現れ、それぞれの視点からの短い物語の合間に16点の絵画が挿入される。 題名の「チューリップ熱」とは当時のチューリップ球根の先物取引バブルを指している。物語の後半で実際にこんな場面が有ったのか?と心臓が痛くなる。ノンフィクションだと言われても納得するし原田マハの作品と言われたら頷きそうな物語。2019/03/24

mabel

8
すごく好きな映画の脚本を書いた人。オリジナルはどんな作品を書くんだろうと思って手に取りました。17世紀オランダの画家たちの16枚の絵画、レンブラントやフェルメールなどの絵をもとに想像を膨らませて一冊の脚本を書き上げたという感じがした。なんというか、物語が目に浮かぶよう。市民が力を持っていたこの時代のオランダで描かれた絵画は確かに雄弁。2016/02/13

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