出版社内容情報
第一次大戦、オーストリア国境のイタリア軍。はてしない塹壕戦の中、無謀な作戦にも使命感に燃え、戦闘に立ち向かう兵士たち。戦争の悲惨さをあますことなく描いた戦争文学の傑作。
内容説明
第一次大戦、オーストリア国境のイタリア軍。はてしない塹壕戦の中、無謀な作戦にも使命感に燃え、戦闘に立ち向かう兵士たち。戦争の悲惨さをあますことなく描いた戦争文学の傑作。
著者等紹介
ルッス,エミリオ[Lussu,Emilio]
サルデーニャ島生まれ。第一次大戦に従軍し、数多くの戦闘を生き延びる。戦後は下院議員となって反ファシズムの立場を貫くが、逮捕され流刑を宣告される。流刑地からの脱走後、国外で反ファシズム活動を続ける。第二次大戦中はレジスタンスの指導者として活躍し、戦後は上下院議員を30年近くつとめた。優れた文章家として知られており、『ローマ進軍とその周辺』、『鎖』など自伝的な著作のほかに『蜂起の論理』など政治的著作も多い
紫野均[シバノヒトシ]
1948年大阪生まれ。ローマ大学政治学部留学。東京大学文学部西洋史学科卒。信州大学人文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彩也
2
小説ではなく、著者が第一次大戦にイタリア軍下級将校として従軍した一年間についての手記である。華々しい活躍はない。状況は悲惨極まりないのだが、読み手の感情を掻き立てようとはせず、「戦場の日常」を緊張感のある文体と、乾いたユーモアで淡々と書いている。エピソードのひとつひとつが面白い。軍隊のかっこよさと理不尽さが、淡々と描かれることでより際立っている。ところで、この小説はイタリアでは中学校なので文学・歴史の副読本として用いられているらしい。日本だったら、『肉弾』とかを副読本にするようなもの?違うか。2011/12/18
コカブ
1
著者のエミリオ・ルッスが第一次世界大戦に従軍した時の体験を綴った本で、小説と言うよりはルポルタージュともいうべきものらしい。なんというか、戦場なの緊張感もあるのだが、常に戦闘をしているわけでもないのでダラダラもしている。そして、常に上から理不尽な命令が降ってきて、現場はそれに右往左往させられるというのが書いてあった。淡々と書いてあるのだが、第三者から見るとちょっと面白おかしい。登場人物はコニャックばかり飲んでいるのだ。しかも、調査によると書かれた事は大体事実なのだという。塹壕戦は大変だ。。。2013/09/16