出版社内容情報
プルーストを愛読する人、プルーストに挫折した人、そして人生をより良くしたいと願う人に贈る全く新しいプルースト入門書。プルーストの作品と人生を通して、新しい物の見方を教えます。
内容説明
プルーストを読んで人生を学ぼう。プルーストを愛する人、プルーストに挫折した人、そして人生をより良いものにしたいと願うすべての人に贈る、愉快でためになる本。
目次
第１章 今日、人生を愛するには
第２章 自分のために読む方法
第３章 時間のかけ方
第４章 上手な苦しみ方
第５章 感情の表わし方
第６章 よき友になる方法
第７章 目の開き方
第８章 幸福な恋をする方法
第９章 本をやめる方法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
37
数々のプルースト自身の言葉や、プロフィールなどが紹介されていて、ファンにはたまらなく楽しい。 未読の者にとっても良き入門書足りうる本だ。 同時に、僕のような引用マニアには、どこを取ってどこを捨てるべきか大変悩ましい本だ。 第四章｢上手な苦しみ方」などは、プルーストの苦難に満ちた人生が詳しく紹介されており、さながらプルースト版「絶望名人カフカの人生論』のような様相を呈している。／ 2021/04/14
tom
17
この本、プルーストを読んでいる人にはかなりの良書だと思う。ただし、一度は通読し、その退屈さに絶句し呆然としてしまった人向けかもしれない。私は再読中。再読中だけど、次第に面白くなっていくことを体感している現状。この本をで読んでいると、プルーストさんは、身体状況も含めて面倒な生活歴を持っていた人。交友関係では「異常」に気を遣う人だったとのこと。彼の書くものの独特の視点の背景を解説してくれて、これは分かりやすい。読みながら、こういう人がこの面倒で面白い小説を書いたのかと驚くばかり。この本は持っておきたい。2024/01/26
Mayu
5
アラン・ド・ボトンさん初読み。期待以上に面白かったです！一言で言うと、自分自身で人生と世界のあらゆる側面を感じよ、芸術(絵画や書物)はそれを手助けしてくれるにすぎない(しかし、確かにその感覚を磨く手助けをしてくれる)、ということが書かれているのかな、と思い、小池龍之介さんの著作に書かれていた、いつも何気なく通り過ぎてしまう日常に本当の意味で向き合う、というアプローチにも似ているように感じました。この本の魅力は訳者の後書きに非常に簡潔にまとめられていると感じ、著者もさることながら訳者もすごい方なんだなと。2015/08/01
s_n
4
『フローベルの鸚鵡』に近いテイストですね。プルちゃんを読んでから、また読みたいです。2013/04/14
あなた
2
「上手な苦しみ方」の章にプルーストの自己評価がのっている。「楽しみも目標もなく、活動も野心もなく、この先の人生はすでに終わったも同然」。プルーストって、かわいい、ってジャンルにはいるきがする。「ひんぱんにトイレに行きますが、ちゃんと出ません」。「自分のベッドが大好きで、たいていはベッドのなかにいて、そこを事務所代わりにしています」。完璧にかけがえのない人と思ってもらえる長さは、「せいぜい十五分」と書いてあるけれどこれはみなかったことにしよう。だいたい連続もののラジオドラマくらいの長さでひとは愛される。2021/11/26
