内容説明
1920年代、ロスト・ジェネレーション。ドイツでは秘密結社とホモセクシュアルの妖しい匂い、そしてユダヤ人の迫害。『聖なる酔っぱらいの伝説』の著者が放つ危険な物語。物語作家ロート、幻の処女作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
4
ロート小説集1の優等生、立身出世読後の再読本。劣等感のみの男が立身出世欲の渦に絡め取られてゆく。殺人と裏切りと祭り上げによってモレク神に造形されてゆく主人公テオドール。その姿に史実をオーバラップさせドキュメントタッチで描かれる。短編の社会派サスペンス、場面描写は生々しい。2021/04/27
はる
1
聖なる酔っぱらいの伝説の一篇。 恐怖を感じる小説だった。 同時代の同民族のカフカとは違って直接的だった。 主人公テオドール・ローゼはハナ・アーレントの言うところのモッブなのだろうか?それともヒトラーなのだろうか?2019/10/26