哲学書簡

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哲学書簡

  • 著者名:ヴォルテール/斉藤悦則
  • 価格 ¥1,023(本体¥930)
  • 光文社(2017/07発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334753542

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内容説明

イギリスにおける信教の自由や議会政治を賛美し、ロックの思想、ニュートンの科学、シェイクスピア演劇など文化、科学の分野における考察を、書簡形式で綴ったヴォルテールの初期の代表作。絶対王政下のフランス社会の遅れを痛烈に批判し、発禁処分にされたことで大ベストセラーとなった。のちの啓蒙思想家たちに大きな影響を与えた、ヴォルテールの思想の原点ともいえる著作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

春ドーナツ

13
フランス語が読めないからあれだけれど、表題は意訳ではなく逐語訳だったみたい。19世紀になって、宗教に関する言論の自由が確立されたのか、教会権力がおとがめできなくなったのか、よくわからないが、ヴォルテールの頃は、というかルソーの頃までは、ちょっと批判的なことを書くと、即、発禁になっていたようだ。ルターの宗教改革が16世紀で、上記のタブーからの解禁がどのような経緯によるものなのか、ちょっと気になる。近代ドイツの歴史をたどれば、導きの糸がにょろにょろ出てくるのかしら。パスカルさん、そんなこと言ってたのかと思う。2024/01/28

猫丸

13
狭い意味での哲学書ではない。スコラ学の硬直化、宗教の典礼化を見かねて、ある意味野蛮なイギリスの自由な精神を称揚する文化通信。立ち位置は健全な保守派といったところであり、まったく過激な主張はないのだが、これでも発禁だそうだ。フランスアカデミーが虚飾に満ちている、との指摘がすでにこの段階で出ている。のちにペタンがアカデミー委員に選出された際のヴァレリーの演説など、歯の浮くような空虚な美辞麗句だらけだったな。イギリスに歴史書はない。喜劇はあるが悲劇はない。沙翁何するものぞ、を実践している。江戸っ子みたいだ。2019/05/29

ころこ

13
クエーカーの紹介から始まり、パスカルで終わる本書の意図が、解説で分かり易く説明されています。最後にあるパスカル批判は示唆を受けました。あらゆる点でフランスとイギリスを比較している中で、デカルトとニュートンを比較しています。一見異色の組み合わせですが、哲学と科学が近かった時代の元々の哲学の役割に忠実な議論が行われます。イギリス・ニュートンが評価され、フランス・デカルトが批判されているのは本書の流れ通りですが、ニュートンの方が評価されているのは端的に科学的真実だったからです。さらに無限と年代学についてのエッセ2017/11/02

吟遊

11
読みやすい新訳。クエーカー教徒のはなしから始まるのも面白い。イギリス見聞録。パンセ嫌いはわかる気もする。骨太ヴォルテールもまたモラリストの系譜ですね。2019/11/24

ライクロフト

6
初ヴォルテール。「文学者に払われるべき尊敬について」とかテーマが面白い。哲学書じゃなくてエッセイっぽい。さすがに18世紀だなあと読んでいて感じる箇所は多いものの、率直なヴォルテールの言葉が心地よい。「あまりにも簡単に理解できてしまう哲学は、さっぱり理解できない哲学と同じくらい、用心をしなければならない」。せやな(笑)2017/11/02

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