出版社内容情報
メトロノームではなぜ「歌えない」のか――すぐれた演奏家たちの経験が伝える「ゆらぐリズム」の快楽はついに「法則」となった。自然界の最も美しい比率=黄金分割を音楽に導入し、従来の機械的なリズム教育から人間本来の「歌」を取り戻そうとする本書によって、あなたの演奏は必ず変わります。
内容説明
明快な論理で構築されたこの「自然リズム」論は、今まで経験知にゆだねられてきた不透明な領域を鮮やかに照らし出した。ビオラの第一人者である著者の豊かな感性と体験が今、音楽をよみがえらせる。
目次
第0章 アウフタクト
第1章 リズムはゆらぐ(リズムとは何か;時間の美しさ)
第2章 自然リズムを演奏する(リズムはどのように伝えられるか;拍の性格と役割;さまざまリズムを演奏する)
第3章 ふたたびアウフタクト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田氏
15
音というもの自体は観測可能な物理現象であるのに、音楽となると「楽」の部分が厄介で、どうしても社会科学でいうところの規範的分析に偏ってしまう。本書は図書館でパラパラとめくってみたら数式やグラフが見えたので、これは実証的分析か?と借りてみたが、やはり例にもれず、著者の経験値による「こうするとなんかいいよね」の言語化を脱しなかった。それはそれで得るものは多いし、黄金比を用いて数理化を試みているところは興味深い。クリス・デイヴらの台頭により「ゆらぎ」が注目される昨今のポピュラーミュージック視点からも瞠目に値する。2020/07/11
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1
リズムはメトロノーム的な均等拍よりもズラしたほうが良い演奏ができるのは良く言われることだし経験的にもわかっていたが, どの程度ズラすべきか. また何故そうなるのかについての疑問はあった. この本はその疑問に黄金比などを持ち出して一定の説明を与えようとしてはいるが, 解答にまでは至らなかった. 示唆的な本ではある.2013/12/16