出版社内容情報
エリザベス朝演劇を代表する劇作家5人の代表作を小田島雄志の個人訳で紹介する戯曲集。【全巻内容】1 クリストファー・マーロー『マルタ島のユダヤ人』『フォースタス博士』2 ベン・ジョンソン『ヴォルポーネ』『錬金術師』3 ジョン・ウェブスター『白い悪魔』『モルフィ公爵夫人』4 シリル・ターナー『復讐者の悲劇』『無神論者の悲劇』5 ジョン・フォード『あわれ彼女は娼婦』『心破れて』
内容説明
表題二作は、限りない「金銭欲」と「知識欲」を追い求めた人間を描き、名を一躍高めた代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
105
・「マルタ島のユダヤ人」:この数十年後にシェイクスピアが描いた「ヴェニスの商人」と比べると、俗っぽさが目立つ。その軽さを楽しむ意味合いはあるように思う。マーロウ作品には、シャイロックが私も同じ人間だと訴えたあの苦悩がないのだ。「フォースタス博士」:200年後にゲーテが著す「ファウスト」の原型のような劇。天使とも思える老人の救いの言葉に耳を貸さず、トロイのヘレナとの色欲を選ぶ彼の俗物さよ。ただ、その俗さがとてもビビッドであり、そのためにマーロウ作品の中でダントツに面白いと思える。2023/05/29
tekka
4
解説を読んだら『ヴェニスの商人』と『ファウスト』を読み返したくなった。2024/09/08
viola
2
シェイクスピアと同年生まれの戯曲家、マーロウ。最近ではマイナーになってしまっているようですが、当時はかなり人気だったようです。マルタ島~~のは『ヴェニスの商人』にかなり似ています。(シェイクスピアが後で書いている)でも・・・こちらは、ユダヤ人「だから」悪人であって、やはり描き方はシェイクスピアのほうが上かな?でも、読んでいてぐいぐい引き込まれ、かなり面白かったです。フォースタス~は、ファウスト伝説を元に書いたもの。ゲーテのとはけっこう異なります。2010/04/01
hsm
1
「フォースタス博士」のみ読了。2010/06/17
瑛
0
フォースタス博士を読みました。悪魔「メフィストフィリス」と契約したフォースタスは快楽をむさぼり続ける。現世で快楽を楽しみすぎたものは、地獄で苦痛を味わうのは当たり前という言葉が非常にずしりときた。演劇の本の中でも面白かった。2011/03/28