出版社内容情報
これまでほとんど語られなかった「中世における女性の役割」というテーマを扱った画期的な一冊。夫クロヴィスをキリスト教に改宗させたクロティルド妃、英仏両国王を夫にしたアリエノール・ダキテーヌ、カノッサの屈辱を演出したマティルダらの生涯に分け入って、この時代の女性像を活写する。
目次
第1部 カテドラル以前の時代
第2部 封建時代
第3部 カテドラルの時代がすぎたのち
結論 中世の女性から現代の女性へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピンガペンギン
21
1980年出版の本。著者はフランスの歴史家でジャンヌ・ダルクの専門家でもある。12世紀には宮廷風の文化として貴婦人に仕える女性優位の作法の体系ができて、アンドレ・ル・シャプラン(スタンダールの恋愛論にも出てくるみたい)という聖職者の「恋愛論」が引用されている。(P138)貴族の世界の話か、庶民に関係ないのだと思ったら、「真の貴族は態度と物腰における貴族」「生まれではない」ともあるという。理想としてはそうだったということだろうか。もう一つ面白かったのは、中世の司教や司祭の関心事は離婚ではなく、近親相姦→2024/03/08
人生ゴルディアス
4
聖書冒頭みたいにひたすらに人名の羅列が続くので眠気に耐えるのが大変だった。10世紀前後二世紀くらいは女性の地位が今より高く、ローマ法が浸透し始める末期からルネサンス以降、現代が想像する女性圧制に至ったというのは知らなかった。2017/06/18
じろ
0
中世盛期の女性は近代よりも社会的地位が高かったらしい。それが下降し始めるのが十三世紀以降で、ローマ法の影響、都市の発展などによるものだと。この本で中心になるのは十二世紀、フォントブローの修道院とアリエノール・ダキテーヌ。2015/02/05
陽香
0
198804102012/05/20