ウィーン ペスト年代記

ウィーン ペスト年代記

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  • サイズ B6判/ページ数 236,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560028018
  • NDC分類 234.6
  • Cコード C0022

出版社内容情報

 中世から近世にかけて、ウィーンは何度かペストに襲われた。特に壊滅的な被害がもたらされた際、この疫病の猛威に対し人はどのように対応したか。聖職者や年代記作家の証言に基づき、様々な局面から当時の状況を克明に描写する。病気という今日的なテーマが、われわれに語りかけるものはなにか。

内容説明

中世からバロックまでウィーンを繰り返し襲い、壊滅的被害をもたらしたペスト。年代記作者の報告や聖職者らの証言を基に、驚くべき事実や逸話を交えて鮮やかに当時の状況を描き出す。

目次

黒死病
ウィーンの町
下水溝は天国までにおった
外科医と医者
贖罪者たちは鞭打つ
井戸への毒物投入とユダヤ人殺害
無節操で破廉恥な国民
ペスト鑑定書と伝染病条件―近代の始まり
一六七九年のウィーン
良心なき浮浪者たち〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にかの

2
ウィーンはしばしばペストの災禍に脅かされた都市だったが、その原因は様々ある。本著に記されたものは大まかに以下 ①医療の未発達 ②劣悪な衛生状況 ③衛生当局と医学界の確執 ④宮廷の集団非難および無政府状態 ⑤迷信による人為的な感染拡大。目に見えないものの脅威は多くの人を混乱と焦燥に追いやり、それがペストの被害を大きくした。この本はそれらをペストが発生した各年代ごとに簡潔に記したものである。比較的読みやすく、参考になるものだった。この本に記された物事は新型インフルエンザなど、現代の我々においても例外ではない。2013/11/24

Ohe Hiroyuki

1
ウィーンを舞台に、中世から近代にかけてペストに対して人々がどう取り組んだのをエッセイ形式でまとめた一冊。▼現代のように、ペストの発症原因が分かっていない状況だからこそ政治、宗教、医者それぞれの立場からペストへの対応についての論争が続く様子がよく分かる。▼誰が原因かもわからないなか、苦行を行ったり、迫害したりと人々も様々にうごめく。▼公衆衛生の状況や科学の発展は現代と大いに異なるが、人間の心理としては通ずるものがある。本書を読むと、新型コロナウィルスが広がる今もある意味同じ状況といえるように思える。2021/01/17

春色

1
当時、多くの人口を抱えていたウィーンで繰り返し起こったペスト禍の様子を淡々と。ペストの正体が判明していなかったとはいえ、「感染」の概念はあったのにも関わらず、後手後手にしか手を打てないのがもどかしい。2010/11/06

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