目次
人は異なる手段で、同じような目的に到達する
悲しみについて
われわれの情念は、われわれの先へと運ばれていく
本当の目的がないときには、魂はその情念を、いつわりの対象に向かってぶちまけること
包囲された砦の司令官は、そこから出て交渉すべきなのか
交渉のときは危険な時間
われわれの行動は、その意図によって判断される
暇であることについて
うそつきについて
口のはやさと口のおそさについて〔ほか〕
著者等紹介
宮下志朗[ミヤシタシロウ]
1947年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専門はフランス・ルネサンスの文学と社会、書物の言語態(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
25
【要旨】モンテーニュが日々の思索を綴ったもの。第一分冊。【感想】精神の暴走の目録と言うだけあって話題も「哲学することとは死に方を学ぶこと」という有名なものからEDに関することから多岐にわたる。話題がころころ変わるのが読みにくさを助長しているようにも思えるが、時折鋭い考察が述べられていてふとしたときに読みたくなるかもしれない。習慣についてと子の教育については今でも有用だ。二巻も読むことにする。2017/02/07
ルル
14
モンテーニュからは【社会観察の仕方】のヒントを、そして、訳者からは【日本語表現】の豊かさを学べました。要再読本❗️2019/09/03
吟遊
11
話題がバラバラなのと、古典からの(プルタルコスとセネカがとくに好きらしい)引用がとても多いので、読むのに根気がいる。読み始めて、だんだんと著者のペース、文体に慣れてゆくと楽しくなる。高尚な教育論、徳と哲学について語れば、性的不能、戦場での恐怖についても語るというように、分け隔てがない。大変に謙虚で、自分のなかを探求し、自分のなかに発見を求める、と言いつつも、自分語りをせず、あくまで出来事を例示するところが豊かな知性の一端。原典にした「版」の問題についてはあとがきの方に詳しい。2016/11/14
はなよ
9
現代で例えると、ただの本好きのおっさんが書いているブログ記事みたいなものを、ありがたく読んでいる私は奇妙だなぁと思うんだけど、本当の文学っていうのはこういう「自然と湧き上がってきた言葉」の中から作られるのかもしれない。2017/09/13
ももたろう
8
「哲学することとは、死に方を学ぶこと」の章の感想としては、死を考えることが自由につながる、ということの素晴らしさを学べたのが良かったということに尽きる。この章では、世間一般の死のイメージ(怖いもの、悪いものなど)を払しょくする言葉が随所に見られた。そして、その言葉に説得力がある。世間一般の死に対する捉え方から脱却できるヒントが見つけられると思う。そして、死を考える事で、自由になれると思う。何度も読み返したい名著。<お前が十分に生きたかどうかは、その年数ではなしに、おまえの意志にかかっている >2015/04/30