感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hoshinot
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「哲学とは何か」「愛について」の二篇を収録。前者は公開講座をまとめたもので、オルテガは多種多様な聴衆を前に、難解で晦渋な専門用語ではなく、日常的で具体的な用語でもって哲学の核心に迫り、解明を試みている。したがって内容は極めてレベルの高い専門的なものでありながら、記述は明晰であり哲学プロパーでない私のような読者でも入りやすい哲学書である。またイェリコ攻囲戦のごとく、哲学の周辺から円環を描いて進み、徐々にその中心へと収斂してゆく哲学的思索は本当に素晴らしい。本書で見出される「生の哲学」はまさに白眉である。2016/04/19
