出版社内容情報
意味研究の新しい地平を拓く、言語学･哲学･認知科学関係者必読の書。操作概念《メンタル・スペース》を導入し、従来の理論では十分説明しきれない「一つの意味から複数の解釈が生じるメカニズム」を鮮やかに解明。新版にはレイコフ／スウィーツァーのまえがきとフォコニエ自身の序文が加わった。
内容説明
本書は指示と前提に関して知られている最も困難な問題に取り組み、そのすべてを同じように簡単に解決している。さらに…認知意味論の分野で概念体系に関してなされたすべての研究とも調和している。
目次
１章 語用論的関数とイメージ
２章 役割と多重コネクター
３章 前提―浮遊、転送と投射方略
４章 反事実的条件文と比較文
５章 スペース間操作子、哲学的問題および将来の展望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
言語に関する従来の意味論は、言語表現と解釈の間の写像関係を扱う。が、情報入力としてこの場面を見ると、感覚は単なる受容器ではない。著者はこの場面に認知レベルを挿入し、言語表現と解釈の中間に置く。こうして談話の際にフレーミングされる出来事はスペース、コネクタ、アクセス原則から成るメンタルスペースという局所的集合となり、談話はそれらの結びつき方(入力、写像、総称、融合)によって、比喩的に伝達を行う動的ネットワークとなる。この理論は計算機言語学的手続きで進むゆえに認知的であり、言語構造に関する検討が課題とされる。2021/12/23
