出版社内容情報
中国の国宝を聚めた台北の故宮博物院が、戦後の動乱の中でどのように成立したか。定評のある故宮ガイド。
目次
第1章 最後の脱出作戦
第2章 三度の危機逃れた有霊の古物
第3章 伝えられた不滅の遺産
第4章 清王朝から中華民国へ
第5章 故宮博物院の誕生
第6章 帰らぬ旅に出た故宮の文物
第7章 台湾に甦る中華民族の伝統
第8章 故宮の文物と語らい
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゅた
2
台湾の故宮博物院を見学して素晴らしかったので美術品の解説が書いてあるのかと読んでみたのですがいい意味で期待を裏切られました。故宮の宝物を巡るまさに「物語」が語られていてとても興味深かったです。これから台湾へ行かれる方は読んでから博物館へ行かれると楽しさ倍増かと…。v(゚▽゚)v2013/02/06
Caroline
1
紫禁城、始皇帝のくだりが面白い。これだけの作品の大移動、苦労がしのばれます。2013/10/09
がんぞ
0
初版が昭和42年。中共封じ込めの最中だけに蒋介石が政権の正統性の証として紫禁城にあった国宝を転々と移送し、リスト化し、最終的に台湾に逃げ込むのにも住民より美術品を優先した話は衝撃的であったかもしれない。《文革》で紅衛兵は党幹部にテロを加えると同時に多くの美術品、歴史的建造物を破壊し正統性を薄弱にした。とはいえ蒋介石も軍人らしく戦時共産主義の強権恐怖政治で同じく「反日」を教育しようとした。中華思想により皇帝所望制作以外のものはほとんどない。とはいえ工芸の巧緻は近代科学を除きヨーロッパを後進国と見下すのに十分2015/03/28