出版社内容情報
【概要】
化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS:Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)は、2003年7月に国際連合から勧告され、化学品の危険有害性を世界統一の基準で分類し、その結果をラベルや安全データシート(SDS:Safety Data Sheet)に記載することで、災害防止および人の健康や環境の保護に役立てようとするものです。
本対訳版は、国連から2023年に発行された改訂10版の原文を左ページに、仮訳を右ページに収録した英和対訳版となっています。
「世界調和システム(GHS)作成までの経緯」
化学品は私たちの生活を向上させるため、全世界で広く利用されています。一方で、危険性や有害性があり、人や環境に悪影響をもたらす可能性もあります。その結果、数多くの国は、ラベル表示や安全データシートにより、化学品を使用する人々に向けた情報と伝達を求める規定を定めています。
しかし、こうした規定の内容は各国において様々で相違点が大きく、同じ化学物質であってもラベルまたはSDSが国ごとに違うなど、異なる情報を表示している場合があります。化学品が世界的に流通している中、このように国ごとに表示内容が異なれば、化学物質の安全な製造、使用、輸送、廃棄が困難となるのは明らかです。
このような観点から、国際的に調和された化学物質の分類および表示方法が必要であると認識され、長年の検討を経て作成されたものが、「GHS」です。
内容説明
化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)は、1992年リオ・デ・ジャネイロでの国連環境開発会議におけるアジェンダ21の決議に基づいて、国際労働機関(ILO)、経済協力開発機構(OECD)そして国際連合の協力によって開発された。本GHS改訂10版では、特に以下のようなさまざまな新規あるいは改訂された項目を含んでいる;鈍性化爆発物の分類手順(第2.17章);健康有害性の分類に対する動物試験によらない方法の利用(特に、皮膚腐食性/刺激性(第3.2章)、眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性(第3.3章)および呼吸器または皮膚感作性(第3.4章));表示実務者の使いやすさを考慮しつつ、利用者の理解しやすさを向上させるための注意書きのさらなる合理化;金属および金属化合物に関する分類戦略、手引きおよびツールと第4.1章の長期水生有害性分類に関する規定との整合性を確保するための附属書9および10の見直し。
目次
第1部 序(GHSの目的、範囲および適用;定義および略語 ほか)
第2部 物理化学的危険性(爆発物;可燃性ガス ほか)
第3部 健康に対する有害性(急性毒性;皮膚腐食性/刺激性 ほか)
第4部 環境に対する有害性(水生環境有害性;オゾン層への有害性)
附属書
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