内容説明
「買い物弱者」対策だけでは解決できない。人間関係の希薄化(ソーシャル・キャピタルの低下)が都市における「食の砂漠」の主要因。急速に拡大する「都市のフードデザート問題」への対処が急務。
目次
第1章 フードデザート問題とは
第2章 東京都心部における人口の高齢化と人口構造の多様化
第3章 食料品アクセスとソーシャル・キャピタル
第4章 事例研究1(東京都心部)
第5章 事例研究2(県庁所在都市中心部)
第6章 事例研究3(地方都市)
第7章 対策事例
終章 本書で得られた知見と今後の課題
著者等紹介
岩間信之[イワマノブユキ]
茨城キリスト教大学文学部教授。1973年茨城県生まれ。2002年筑波大学大学院地球科学研究科博士課程修了。2003年イギリスサザンプトン大学客員研究員。2005年筑波大学第二学群比較文化学類技術補佐員。2007年茨城キリスト教大学講師。2015年より現職。2015年イギリスエディンバラ大学客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
2
買い物難民という用語で注目され始めている問題圏。郊外や田舎の生鮮食品のアクセスよりも、近年は都市部での諸々の健康問題が頻出し始めている。そこでは社会関係資本の低下による孤立化がその焦点となる。アメリカの特に子供の肥満問題やイギリスのフードデザート(食の砂漠)問題とは異なる日本の特有性としては言うまでもなく高齢化と地方の衰退があるが、移動販売や宅配サービスなども物流業界の人材不足などを筆頭に頭の痛い話が山積している。安全管理や国内農業の衰退以前に、我々は人の生活の最も基底的な部分を失いつつあるというわけだ。2017/08/29