出版社内容情報
新しい課題が母子衛生に提起されている現在、丸山博の乳児死亡の研究手法が改めて輝きを増す。
内容説明
情報・ハイテク・サービス産業で働く母親の増加、単身赴任・出向と「母子家庭化」の広がり、都市と農村で深まる食生活の変化―新しい課題が母子衛生に提起されているとき、丸山氏の乳児死亡の研究手法が改めて輝きを増す。
目次
1 乳児死亡、衛生統計の基本を問う―研究の歩み、統計的手法の概要(小倉先生と私の乳児死亡の統計的研究;乳児死亡問題;岸和田市の乳児死亡調査をめぐって)
2 死児をして叫ばしめよ―西欧300年の近代を、明治以来100年で走りぬけた日本の資本主義展開の矛盾を告発する死児たちの叫び(乳児死亡統計をどうみるか;乳児死亡はいかに問題となってきたか;乳児死亡の統計から何を学んだか)
3 乳児死亡・母子衛生問題の展開(死に近づく乳児のすがた―敗戦の混乱の中で生活苦と闘う工場労働者65家族の具体例。健康を守る保健婦への助言;乳児死亡率はどこまで下がるか―乳児死亡率はどこまで下がるか。そのカギを握る母体の条件は、女性の社会的地位にかかわる;衛生統計からみた最近の母子衛生―出生率が減り、あきらかに低下した乳児死亡の背後に生れてきた新しい矛盾に光をあてる;周産期死亡の実態と問題点―乳児死亡低下の裏にひそむ死産・流産。異常に増加するその原因と解決策をさぐる;乳児死亡の「統計的予測」論―経済繁栄のもとでの地域格差をアルファ・インデックスでみる その傾向と対策;母子衛生50年の回顧と展望―世代を育てる母子衛生 21世紀への提言)