出版社内容情報
多くの産地でナシの経済寿命は30年とされる中、著者は樹勢強化と適切な着果管理で、30年を過ぎた老木園でも4トンのナシをとっている。しかも、難しい技術は必要ない。養水分のポンプ役となる多くの予備枝による樹勢強化、熟練技が要る「捻枝」の代わりに誰でもできる「枝折り」による棚付け、スピード重視の予備摘果と「1果そう1果」にこだわらずに果実の肥大を見極めた仕上げ摘果による着果管理、秋から取り掛かってパートの人にも任せられる剪定のやり方など、樹の力を最大限に発揮させる高い収量を平易な技術で実現する、常識破りのナシつくりの極意を1冊に収める。
【目次】
はじめに ナシの樹の生産力を信じることから
【写真解説】青木流 限界突破のナシつくり
(まとめ:編集部)
パート1 樹齢40年で4トンとる
(1)なぜ、生産量が低下するのか?
30年で改植が当たり前?
老木でも高収量は可能
(2)生産量を高めるポイント① 樹勢を強化する
25年目頃から弱り始める
強い樹勢で老木期を迎える
(3)生産量を高めるポイント② 着果管理を改善する
「1果そう1果」は本当か?
よい果実は収穫直前まで見極める
(4) 私の技術と一般の技術
まずは樹勢の強化から
樹勢の強いナシの姿
(5)だれでもできる技術で実現する
平易な技術で適期作業
パート2 秋・冬の作業
(1)秋季剪定
冬に剪定開始では間に合わない!
秋からできる作業を始める
骨格枝の切り戻し
古い側枝の枝抜き
(2)冬季剪定と枝折り誘引での棚付け
秋季剪定した枝の片付け
弱剪定が安定生産の基本
養水分のポンプ役=予備枝の確保
側枝の更新
捻枝はやらず、枝折りで棚付け
枝折りのやり方
折る方向に気をつける
折った枝の結束
(3)園地状態の評価
春の状態で当年と翌年を見通す
パート3 春から夏の作業と収穫
(1)施肥
元肥は前半に一気に効かせる
追肥は翌年の新梢充実のため
(2)花芽(花)整理
悪い花の整理を優先
摘蕾はやらない
短果枝の「まご花」の整理
幸水の花芽整理
(3)結実(受粉)対策
ミツバチや花粉専用品種の利用
人工受粉は難しい…
ブロワー受粉に効果あり
(4)摘果
予備摘果はスピード重視
「1果そう1果」にこだわらない
着果数確定は急がない
満開後90日頃に仕上げ摘果
(5)環状はく皮
果実が太る最高の技術
貯蔵養分の減少には注意
(6)翌年の花芽育成
遅めの摘心で中果枝を育成
えき花芽の着生促進
(7)収穫作業
台車利用でラクで効率的に
(8)病害虫対策
強い樹勢で病害虫予防
防除暦作成の注意点
パート4 樹形と園地づくり
(1)補植・改植の考え方
樹勢を見極める
園地全体のバランスを考える
高樹齢化したら樹を小さく
品種はよく考え、苗の入手に妥協は禁物
早期に生産量を確保
抜根はバックホーも使って
(2)苗木の植付けと若木の管理
植付けは最小限の労力で
若木の管理
(3) 樹形づくり
シンプルで作業性を重視
4本主枝と2本主枝の場合
理想は「風車型」の樹形
樹形は柔軟に考える
樹形の改造のやり方
(4) 土づくり
無理せず