出版社内容情報
一般市民や訪日外国人を対象に、日本農村の原風景である茅葺きの里16カ所を訪ねるガイドブック。日本語英語併記。写真図版多数。中学生にもわかる平易な表現で茅葺きの地域的多様性を解説、茅葺きの面白さが伝わる。屋根だけではなく、茅葺きにまつわる暮らしや民俗なども紹介。茅刈り、火入れなどで維持される里山としての茅場の多面的価値、マルチ、敷き草、飼料などの茅の多面的利用といった農業と密接に結びついて発達した茅文化もクローズアップされる。
目次
茅葺きの里(アイヌのチセ;南部の曲家と芝棟;秋田の中門造 ほか)
茅葺き図鑑(逆葺き;茅場の多面的機能と炭素の循環;北上川のヨシ原 ほか)
茅葺きの技(茅葺きの材料;茅葺きの道具;茅葺きの棟仕舞)
著者等紹介
安藤邦廣[アンドウクニヒロ]
日本茅葺き文化協会代表理事。筑波大学名誉教授。工学博士。1948年宮城県生まれ。九州芸術工科大学卒業。東京大学助手を経て、筑波大学教授、2013年定年退職
上野弥智代[ウエノヤチヨ]
日本茅葺き文化協会事務局長。里山建築研究所一級建築士。兵庫県生まれ。筑波大学芸術専門学群建築デザインコース卒業。筑波山麓にて里山を生かす住まいの設計に取り組み、茅葺き文化の継承と発展のための支援活動に取り組む
杉原バーバラ[スギハラバーバラ]
フリーライター・翻訳者。日本茅葺文化協会正会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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sammy
5
日本各地の茅葺きの文化の技術がよくわかる。屋根裏ヤキリビトなど観光ではよく見られない場所の解説が興味深かった。日本の技術として残して行って欲しいものが沢山集まっていることがわかった。2024/02/27
jackbdc
2
里山の風景と相俟って美しい佇まいに情緒を感じる。あわよくば棲んでみたいけれど覚悟を決めるのが難しそうだ。茅葺き屋根は単なる消費財ではなく生活様式と表現するのが相応しいのかもしれない。屋根材となる葦の栽培地確保、刈り入れ、葺き替えから廃材の再利用に至るまで、維持管理に伴う工程には土地に根差した農耕を基本とする集落の暮らしが密接に関わっている事を知った。北海道から沖縄まで、日本各地に残る里を訪ねて、じっくり観察してみたい。筑波流の竹簀巻き、佐賀のくど造、南西諸島の高倉、富士山麓や琵琶湖のヨシ原は特に気になる。2021/01/11
kaz
2
日本各地の茅葺き住宅を紹介。葺き替えの写真まで掲載されているのが嬉しい。手間がかかる様子がよくわかる。アイヌの茅葺き住宅は、本当にこれで厳しい北海道の冬が越せるのだろうかと、ちょっと心配になる。2019/09/23
神田智弘
0
気候、風土、歴史により、茅葺き家屋にも多くの様式があり、その文化を継承してきた人々の営みに感謝2024/03/28