目次
序章 わたしたちは誰しもフクシマの子
第1章 フクシマで何が起きたか―世界を震撼させた同時多発の巨大事故
第2章 あとは野となれ山となれ―フクシマと人形峠と核廃棄物を結んで
第3章 右であれ左であれわがふるさと―日本の原子力開発と反原発運動の歴史
第4章 チェルノブイリの墓銘碑―地球を駆け巡った核暴走の巨大事故
第5章 スリーマイルの残骸―全米をパニックに陥れたメルトダウン事故
著者等紹介
土井淑平[ドイヨシヒラ]
鳥取市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。元共同通信社勤務。市民活動家兼フリーライター。ウラン残土市民会議運営委員。さよなら島根原発ネットワーク会員。“Think Globally,Act Locally”(地球規模で考え、地域で活動する)をモットーに、通信社時代から一市民として、四日市公害(1960年代)、川内原発建設反対(1970年代)、青谷原発立地阻止(1980年代)、人形峠ウラン鉱害(1980年代末から今日まで)などに取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
2
本書は、福島の放射性廃棄物と人形峠のウラン残土、福島とチェルノブイリ・TMIでの放射能汚染、これらを対比考察し、福島の現状把握しようというものだ。付け加えて、日本の反原発運動の歴史を辿っている。一つの事柄を深く掘り下げた本でなく、全般的に知っておくべき事柄を知ろうという本である。筆者の結論として、福島の放射性廃棄物は人形峠を上回る規模であり、人形峠以上に厄介で複雑な“核のゴミ戦争”を招きよせると警告している。福島の放射能汚染は海のチェルノブイリと評すほどであり、海洋汚染はチェルノブイリやTMI以上である。2013/11/06
壱萬参仟縁
1
始末に負えない原発の廃炉(11ページ~)。作る前に活断層はわかっていたなら故意過失。それで事故も想定内だったのに、その始末まで考えていない刹那的建設だったのか。チェルノブイリも漏れては封じ、の反復なのだ(12ページ)。プルトニウム239で癌になる(57ページ)。ヨウ素131は基準の3355~4385倍検出された海洋汚染(67ページ)。越境汚染の懸念。レベルの高低でも汚染は汚染だろう。地方や外国に毒物を押し付ける東京一極集中エゴ(120ページ)。住民運動や条例化で原発お断り。溜息交じりに読まざるを得ない酷。2012/12/12