内容説明
「規制改革」の結果、人びとの暮らしがむしろ悪化した、とする批判がニュージーランド国内で少なくなかった。が、かつて我が国でニュージーランドの改革を宣伝した人びとは、こうした問題点には口をつぐんでいる。本書では、社会学や経済学の立場から、重要な政策を自国で決定できなくなることがもたらす危険を警告している。
目次
ニュージーランドにとっての政治的示唆
オーストラリアにおけるTPPを巡る政治状況
米国の政治とTPP
TPPと先住民族―ラテンアメリカの教訓
TPPと安全保障
オーストラリア‐米国FTAから学ぶべきこと
TPP・アグリビジネス・農村生活
TPPと動植物検疫・食品安全問題
炭素の国境調整措置と気候変動政策
公衆衛生および医薬品に関する政策
ニュージーランドおよびTPPにおける知的所有権
文化と情報
政府調達と労働問題
国際資本と投資
サービスの貿易
TPPと金融部門の規約緩和
著者等紹介
ケルシー,ジェーン[ケルシー,ジェーン][Kelsey,Jane]
University of Auckland School of Lawの教授、法律・政治および国際的経済規制が専門。研究は新自由主義とグローバル化との関係を対象としており、とくにサービス貿易協定に着目している。アジア、南太平洋、その他世界の多くのNGO、労働組合および社会正義ネットワークの活動に関与している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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