目次
1 TPPと農業・農村、日本社会(TPPは社会的共通資本を破壊する―農の営みとコモンズへの思索から;TPP批判の政治経済学;TPP―アメリカの対アジア戦略 ほか)
2 TPPをむらと地域から考える(TPP激震地をゆく“北海道”道経連を含む「オール北海道」で反対する;TPP激震地をゆく“沖縄”さとうきびを壊滅させ、沖縄農業消滅に直結するTPP;米韓FTA交渉における韓国政府の農業の位置づけを検証する―日本が韓国の轍を踏まないために ほか)
3 自治体、協同運動とTPP(協同はTPPを超える;生活クラブ生協のめざす消費者像とTPP;一時的な外交政策で、わが国の将来を不安に陥れることは許されない ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
42
秘密交渉TPPで、交渉過程が黒塗りで全く不明だ。故人となってしまった宇沢弘文先生は、農業問題を、農の営みという人間本来のあり方に深く関わるものとして考えなければならないという(13頁上段)。農業概念を拡大して、社会的、文化的、自然的環境のなかで生きる生活者の集まり(17頁下段)という発想には賛同したい。鈴木宜弘教授と木下順子先生は、一部の輸出産業の利益のために失う国益の大きさを示唆されている(42頁下段)。中野剛志先生も確か10年で数兆円としていた。2016/06/23
pinky
2
現在、棚上げされているTPPですが、この本を読むまでは、報道で言われているように、参加に賛成でした。先のことを何も考えずにいた自分が恥ずかしくなりました。これからは新聞を読むにしても常に自分の考えをもちつつ読んでいきたい。2011/06/02
トマズン
1
2011年に出された本で、最新ではないが その頃議論されてたのが、どんな感じなのか あの頃を思い出しながら手に取って見ました。 話題は、主に農業が受ける影響についてで 正直難しい話は消化できませんでしたが 書き手の警告を受けつつ、頭の中で今後どうなっていくのか と過去と現在を廻らせながら読みました。 この様な論文を書いてくれる人がいる事に 今更ながら有り難いと思います。2015/05/25