内容説明
森づくり=植林?日本の誰もが勘ちがい?!豊かな雨量と降雪、夏は日照が長く高温になる日本列島。欧米とちがって木は植えなくても生えてくる。大事なのは植えることより、上手に伐ること。日本の気候と豊かな表土が容易にする“植えない”森づくり―そこから導かれるグランドデザインと、新たな林業を提言する。
目次
序章 森は“植えて”できるものなのか?
1章 瀬戸際にある日本の山、森―本当の原因、再生のシナリオ(植えすぎたスギ・ヒノキ人工林;スギ・ヒノキ放置林が招く表土流出と土石流;理想の人工林―伊勢神宮宮域林;挿し木笛には直根がない!?―人工林が災害に弱いもう一つの理由;実生木の力強さを活かす森づくりを)
2章 緑の戻るマツ林、枯れ始めたナラ林―日本のもう一つの山、森の現状(マツ枯れの本当の原因は?;根と共生する菌根菌が弱っている;もう一つの樹木枯れ―ナラ類の広葉樹枯死;森の潜在力を引き出す知恵を)
3章 “植えない”森の豊かな植生―森づくりの新しいかたち(森林ボランティアの経験から;森づくりだけなら自然復元が最も効率的;自然復元モデル林のダイナミックな遷移;野生動物が教えてくれる日本の森の本質)
4章 新しい環境保全型林業の創造―“植えない”森づくりとの共存をめざす(山づくりの新グランドデザイン;日本の気候風土に適した林業のススメ;環境林と経済林の共存―鋸谷式密度管理をスタンダードに;近自然工法でつくる作業道で間伐材を出す;北海道大学・苫小牧演習林に学ぶ)
終章 暮らしと森の関係を取り戻す
著者等紹介
大内正伸[オオウチマサノブ]
1959年、茨城県水戸市生まれ。日本大学工学部土木科卒。イラストレーター、著作家。アウトドア、林業、農業、DIY雑誌等に執筆。絵地図の仕事も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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