出版社内容情報
柚木麻子[ユズキ アサコ]
著・文・その他
内容説明
澤田三智子は高潮物産の契約社員。現在はシャンパンのキャンペーン企画チームに所属しているが、会議が停滞してうまくいかない。そこに現れたのが黒川敦子女史、懐かしのアッコさんだった。会議に出すアフタヌーンティーを用意して三智子の会社に五日間通うと言い出した。不安に思う三智子だったが…!?表題作はじめ、全4編を収録。読めば元気になるビタミン小説、シリーズ第二弾!
著者等紹介
柚木麻子[ユズキアサコ]
1981年東京都生まれ、立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。受賞作を含む連作短編集『終点のあの子』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
530
つくづくその人の食べるものは、その人を形づくるものだなぁと。ラストの梅田の話、ちょっと関西弁が硬かったけれども、梅田の地下のラビリンスには笑った。最後に訪れてから数十年、ますます魔窟化してるんだろうな、渋谷駅に負けないくらいには。あと、この表紙画像をコピーするには、春先から夏場じゃないと無理かな、とか(笑)このまま続編へ。2019/10/13
しんごろ
322
シリーズ2作目!どの短編も元気をもらえる終わり方で、読み終わってから、元気をもらえた気持ちになれました。アッコちゃんの世話好きさに「メトロのアッコちゃん」に登場する明海(あけみ)の、一時期、アッコちゃんをうざがる気持ちもわかるけどね(笑)もしリアルアッコちゃんがいて、会えればうざい気持ちがでるかもしれませんが、姉御肌なアッコちゃんに惹かれて、元気をいっぱいくれる素敵なお姉さんだなと思います。全短編とも、皆、前向きになっていく姿に自分も頑張ろうという気持ちになれた作品でした。2017/10/26
馨
269
会議で英国流のアタヌーンティを奨める話、毎日に絶望している女性にスムージー提供する話。毎度アッコさんの強引さはいかなるものかと思うが全て筋を通した行動で最終的に前進する(であろう)。こんなうまいSF話なかろうと思う反面似た人いるのでは?と思うのは私自身がアッコさんのような背中を押してくれる存在を求めているからかもしれません。他2作も生活や己の存在に価値を見出だせない女性が前を向いて進む話で共感できます。神戸、大阪はあったかい街ですね。昔私も梅田駅で迷子になりタクシーのおっちゃんに親切にしていただきましたw2017/12/07
mae.dat
267
第2弾。今回もアッコちゃんが脇を固める短編2話と、ほんのうっすらとだけ関わる短編2話の構成。相変わらずアッコちゃん強い。愛とバイタリティに溢れています。凄い人脈も作っていてね。「食品業界のトップに立ちたい」と言う野望を抱いています。移動ワゴン屋だけで無く、既に株式会社を経営していても不思議じゃないですね。自ら動き示す。悪い慣習には正論で説き伏せる。上司にしたいですよ。『梅田駅アンダーワールド』は就活生の佐江さんが気の毒でね。でもコメディなんですよ。梅田駅地下を探検してみたくなりました(◍˃̶ᗜ˂̶◍)ノ。2022/12/12
SJW
259
今回は4話(3時のアッコちゃん、メトロのアッコちゃん、シュシュと猪、梅田駅アンダーワールド)で構成されていて、アッコちゃんが出てくるのは最初の2つの話のみ。第1話では紅茶とスウィーツにもう少しこだわってみたくなり、第2話では仕事に追い詰められた明海が職場の呪縛から抜け出せることに胸がすく思い。第3話では神戸の町に猪が出てくるがほんとかな。長男が婿入りした家がやはり六甲の東の麓で、その家のおばあちゃんが、昔は猪が山から降りてきたと聞いたが今は出ていないとのこと。第3話で出てくる神戸弁は確かに、神戸に行く時に2018/01/23