内容説明
「水管理」と「田まわり」、「除草」と「草取り」はどうちがうか。徹底的に、むらの内側=「在所」からの視点に立ち、日々の農の営みをとおして、農業「技術」にはない百姓「仕事」のもつ意味を明らかにする。国家の自給率、農業の多面的機能や生物多様性などの客観的指標のもつ危うさを鋭くえぐりつつ、減農薬稲作運動や「田んぼの生きもの調査」などの30年の実践をもとに、地域の自然を豊かに引き継ぐ生き方を提言。
目次
序章 在所の内からのまなざし
第1章 技術ではなく仕事が大切―仕事論
第2章 自然を見つめる仕事―自然論・風景論
第3章 生きものを見つめる仕事―世界認識論
第4章 経済で生きているのではない―近代化論
第5章 暮らしをつくる仕事―自給論
第6章 農と自然を伝える仕事―表現論
終章 農学から百姓学へ
著者等紹介
宇根豊[ウネユタカ]
1950年長崎県生まれ。福岡県の農業改良普及員時代の1978年より減農薬運動を提起し、新しい技術思想と普及指導理論をつくってきた。害虫でも益虫でもない「ただの虫」の発見によって自然のとらえ方を転換し、1989年より新規参入で就農した。2000年福岡県を退職して「農と自然の研究所」を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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