内容説明
輸送の文明から居住の文明へ。貿易と成長の経済から自給とメンテナンスの経済へ。
目次
序章 「農業」から「農」へ
第1章 世界の現状―なぜシステムは不安定化したのか
第2章 グローバリゼーションからローカリゼーションへ
第3章 経済学から地理学へ
第4章 成長から保全へ、フローからストックへ
補論 状況への発言
特別寄稿 私にとっての農的生活
著者等紹介
関曠野[セキヒロノ]
1944年、東京生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、共同通信社に入社し、名古屋市支社、国際局海外部などをへて1980年からフリーランスの文筆業。思想史、経済などの分野で論文、エッセーを発表して現在に至る
藤澤雄一郎[フジサワユウイチロウ]
1957年信州安曇野生まれ。松本深志高校をへて東京水産大学(現東京海洋大学)卒業。有機農家。1987年『穂高町の十五年戦争―町民がつづる戦争体験記』(郷土出版社)の発行に事務局長として携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さきん
24
自由貿易や金融資本主義の終焉を土地に根差した農を軸に明らかにしていく。終焉は言いすぎだと思うが、見る影もなく縮小していくとは思った。農と資本主義の相性は絶望的に悪いが、ベーシックインカムはこれを解決する一手かもしれない。しかし、額が多いと計画経済の共産国家と変わらない。イノベーションを引き起こしやすい資本主義と農本主義を上手く棲み分ける工夫が必要だと思った。2016/12/13
壱萬弐仟縁
18
農は天地を繋ぐ人間の多種多様な営み(1頁)。 産業としての農業から農へシフト(序章)。 住まいやたしなみとしての農(21頁)。 わたしも農業はやらない。 せいぜい、ヲヤジがホビー農業が現状。 70年代のスタグフレーション(27頁)は、 消費税8%、TPPで再燃かも? グローバリゼーションとは、国境なき世界市場 の論理が従前の国民国家を相対化。 その本質は、グローバルな金融カジノ経済に国民経済 が包摂されること(64頁)。 GDPは生活の質には関係なし(81頁)。 2014/03/27