内容説明
竹は豊富なデンプンが微生物のエサに、繊維が微生物の住み処にピッタリ。しかし、リグニンによる強固な繊維構造が微生物を寄せ付けない。そこで、繊維をすりつぶす「植繊機」で分解促進。竹肥料の表面散布でリン酸が効き、健全な根が伸び、生産物の甘味・旨味が増し、土壌病害が抑制される。地域の厄介者“竹林”を極上の肥料に生まれ変わらせるバイケミ農業のすべて。
目次
第1章 竹肥料の威力(古くて新しい「竹肥料」の効果;肥料として優れる竹の特長;肥料効果を高める「植繊機」;地域のやっかい者を有用な資源に)
第2章 竹肥料の原理(肥料はすき込まずに表面施用;表面施用に働く自然エネルギー;強固な構造を持つ木質有機物の解繊;解繊有機物の表面施用による反応)
第3章 製造と利用の実際(竹肥料の製造と利用の目安;バイケミ農業による栽培管理)
第4章 農家の利用事例(リンゴで平均糖度一六度、表土流失も止まった;最高糖度三二.五度のサクランボで酸味ものる;水をやればやるほど糖度が上がるハウスミカン;ボカシ肥との併用でイチゴの根張り、着果が改善;異常気象に強い稲作への挑戦で食味値九〇の活気地米)
おわりに―橋本清文の農業人生