内容説明
誰もが知る日本の名作46作品の冒頭部分の名調子、名文を味わい、「上手い文章」を書くためのノウハウを指南。
目次
第1章 日本人なら暗唱したい冒頭の一文(テンポのよさが際立った記憶に残る冒頭の一文―『草枕』夏目漱石;文豪が練りに練ったであろう冒頭の一文―『羅生門』芥川龍之介 ほか)
第2章 私たちの心に響く冒頭の一文(太宰の真骨頂、自虐に満ちた冒頭の一文―『人間失格』太宰治;名作のベタすぎるほどベタな冒頭の一文―『蟹工船』小林多喜二 ほか)
第3章 作家たちの真意が隠された冒頭の一文(日本人なら誰でも暗唱できる冒頭の一文―『吾輩は猫である』夏目漱石;エンタテインメントとして計算し尽された冒頭の一文―『恩讐の彼方に』菊池寛 ほか)
第4章 あの名作の実は意外な冒頭の一文(語尾へのこだわりが垣間見える冒頭の一文―『暗夜行路』志賀直哉;作者の真意が隠された平凡すぎる冒頭の一文―『友情』武者小路実篤 ほか)
番外編 時代を超えて親しまれる古典の冒頭文
著者等紹介
樋口裕一[ヒグチユウイチ]
1951年大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士課程満期退学。現在、多摩大学経営情報学部教授。小学生から社会人までの作文・小論文の通信添削塾である白藍塾の塾長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆい
12
楽しい!これもっと広まるべきだと思います。昔読んだこんな本あんな本の出だしから、作者がどんな意図でこの作品を書いているのか、読者はどこに注目して読んでいけば良いのか、細かく解説してくれます。五月女ケイ子さんのイラストがもっとたくさんあったら良かったな。2014/07/16
及川まゆみ
9
タイトルの通り、出だしの文章と、解説とあらすじ。なかなか面白いです。やっぱり、最初の文章で読みたいかどうかって決まるよな~って、改めて思います。これを読んで、本編を読み直したり、新たに読んだりしようと思いました。2014/04/14
ポメ子
5
名作のはじめの部分の紹介とその冒頭部分が、次に続く物語にどう影響しているかなどが述べられている。 あらすじも書かれているので、内容も少し知る事が出来る。やはり、冒頭で好きなのは、『草枕』と『たけくらべ』かな。2020/02/02
あさみ
5
名作の入門書としては、手軽で読みやすくてお勧めです。名作には名作たる理由がある。つかみは大事です。ただ思ったのは、出だしのパターンは数限りなくあり、やっぱり名作家が書くから良いのであって、まねしようと思ってもなかなかできるものではないと思いますね、ホントに。2014/04/15
ざわざわ文庫
5
古典の冒頭文てなぜか必ず暗記させられるから馴染みがあるし大人になってその良さがやっとよくわかる。この本を読めば日本の名作全部読んだ気になれるしおいしいところしか載ってないのでお得。日本文学をこれから知りたい人にはかなりの良い教材である。こんなにも良書なのにうちの職場では誰も借りてがなくて嘆いている。ああ私は買ったよ。2012/10/31