出版社内容情報
脳科学は近年飛躍的な発展をとげ、その守備範囲は精神医学にも及んでいる。しかしながら、脳科学には探索と解析になじむ領域と、そうではない領域がある。そうした中、生物学的精神医学、精神病理学、医療人類学等、さまざまな分野の研究者が、「統合失調症という問い」に取り組んでいる。疾患概念が誕生して以来100年を超えて問われ続けている「統合失調症」という病をめぐる論考集。
内容説明
精神病理学、生物学的精神医学、医療人類学、司法とのかかわり、人文学との接点―。統合失調症という難問をさまざまな角度から考える。
目次
「統合失調症という問い」とはどういう問いか
「統合失調症という問い」に生物学が答えようとしたこと
文化と統合失調症―医療人類学的視点
精神病理学はどのように統合失調症を捉えそこなってきたか
このままじゃいけない統合失調症概念―精神障害の具象化問題をめぐるドン・キホーテとサンチョ・パンサ
統合失調症の責任能力について―「純粋精神医学」の立場から
統合失調症再考―ジャネの「社会的感情論」を手がかりに
一続きの「私」―ある種の統合失調症的体験においてそれはどこで断片化するのか
計算論的精神医学の視点からみた統合失調症
反精神医学からスキゾ分析へ―統合失調症と自然環境問題のあいだ〔ほか〕
著者等紹介
古茶大樹[コチャヒロキ]
1960年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。医学博士。慶應義塾大学精神神経科専任講師を経て、聖マリアンナ医科大学神経精神科教授。専門は精神病理学、老年精神医学、司法精神医学、精神医学史
糸川昌成[イトカワマサナリ]
1961年生まれ。埼玉医科大学卒業。医学博士。東京医科歯科大学医学部精神神経科、筑波大学遺伝医学、東京大学脳研究施設、米国国立衛生研究所(NIH)研究員、理化学研究所分子精神科学研究チームなどを経て、東京都医学総合研究所副所長、統合失調症プロジェクト参事研究員。専門は精神医学、分子生物学
村井俊哉[ムライトシヤ]
1966年生まれ。京都大学大学院医学研究科修了。医学博士。マックスプランク認知神経科学研究所、京都大学医学部附属病院助手などを経て、京都大学大学院医学研究科精神医学教室教授。専門は臨床精神医学、行動神経学
北中淳子[キタナカジュンコ]
慶應義塾大学文学部人文社会学科
深尾憲二朗[フカオケンジロウ]
帝塚山学院大学人間科学部心理学科(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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