出版社内容情報
「楕円関数の理論は数学のおとぎの国」--アーベルやガウスらをも魅了した楕円関数の世界を、少ない予備知識で平易に解説する。
内容説明
18世紀・19世紀に数学の発展の推進力となり、いまも数学や物理で多くの応用をもつ楕円関数について、平易に懇切に解説します。
目次
イントロ―楕円積分と楕円関数の国の俯瞰図
曲線の弧長―楕円積分への入り口
楕円積分の分類―道案内板
楕円積分の応用―旧跡と名所
ヤコビの楕円関数―天の橋立の股覗き
ヤコビの楕円関数の応用―路地裏に遊ぶ
代数関数のリーマン面入門(1)帰って来ても戻っていない
代数関数のリーマン面入門(2)世界は丸い
楕円曲線―限りある世界
複素楕円積分―道案内板を見直す
上半平面と長方形の対応―鏡の国を通り抜け
アーベル-ヤコビの定理(1)―楕円曲線の住人たち
アーベル・ヤコビの定理(2)―楕円曲線の地図を作ろう
楕円関数の一般論―定番周遊コース
ワイエルシュトラスのP関数―楕円関数の国の名士
加法定理―楕円関数の民族性
加法定理による特徴付け―楕円関数の国の旗印
テータ関数(1)―ねじれた平原
テータ関数(2)―四人で行進
テータ関数の無限積展開―隣の国へつづく橋
ヤコビの楕円関数(複素数版)―ガイドブックの終わりは旅の始まり
著者等紹介
武部尚志[タケベタカシ]
1964年、東京生まれ。ロシア国立研究大学経済高等学校教授。専門は数理物理学、とくに非線形可積分系、可解格子模型、共形場理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BIN
5
副題に「おとぎの国の歩き方」とあるので、なんかやんわりした軽い入門書的な本なのかと思っていたら、ガッツリ楕円積分等の内容でした。前半で楕円積分の導入で説明していて、三角関数と類似性とかもよく理解できた。が、中盤以降複素数への拡張からリーマン面とかでややこしくなってきて、挫折。。。2022/10/23
S
0
ずっと積読(挫折)してたけど、乗り始めて一気に読んだ(難しいところは飛ばし飛ばしだが)。楕円積分だけど、その背景とか豊かさは感じ取れた(という程度の理解)。「おとぎの国」と言うタイトルがしっくりくる。2022/11/17