出版社内容情報
iPS細胞など、バイオ科学の進展は目覚ましく、高校生物の知識では追い付けない。若手研究者が最前線を丁寧に、面白く解説する。
第1部 生命科学の最前線
第1章 再生医学 再生医学の夜明け
再生医学とは?
再生とは?
再生医学とは?
組織の再生
再生する動物
再生する臓器(ヒトの場合)
【コラム 1-1】 再生を利用した医療技術?臓器移植?
組織の発生と分化
人間の体はどのようにして作られるのか?
分化のカラクリは遺伝子のスイッチ
どこまで、違う細胞に変化できるか?
いろいろな幹細胞
日焼けした肌も元に戻る
幹細胞を探し出す
幹細胞を利用した治療
“万能細胞”の発見
胚以外の万能細胞の発見
ES細胞の発見
【コラム1-2】 ノックアウトマウスの作成
ヒトES細胞の構築
ES細胞研究事情
ES細胞を用いるメリットって何?
実験材料としてのES細胞
基礎研究としてのES細胞
臨床研究としてのES細胞
分化とは逆の初期化
初期化とは?
クローン技術の確立
クローンES細胞の登場
初期化に成功したiPS細胞とES細胞の違い
【コラム1-3】 ES細胞とiPS細胞の比較
iPS細胞の新時代
iPS細胞とは?
初期化に必要な因子の発見
再生医学の可能性と最新事情。
iPS細胞に弱点はないのか?
再生医学を支える研究と技術
【コラム1-4】 iPS細胞の臨床応用
第2章 遺伝子工学
生命情報の正体
遺伝子工学の発展が社会与えた影響とその恩恵
【コラム2-1】 生命科学発展の歴史
細胞に遺伝子を入れる
【コラム2-2】 セントラルドグマってなんだろう?
組換えDNA技術:ベクター構築とトランスフェクション
【コラム2-3】 そもそも遺伝子ってなに?
【コラム2-4】 DNAの化学的構造
【コラム2-5】 DNAはどのようにタンパク質の合成を指令するのか
遺伝子工学の基礎技術とその応用
DNA分子の解析方法
PCR:目的遺伝子を増幅する方法
【コラム2-6】 PCRの原理
【コラム2-7】 耐熱性DNAポリメラーゼ:TaqDNAポリメラーゼの発見
DNAの“はさみ”と“のり”
【コラム2-8】 制限酵素ってどんなもの?
ゲル電気泳動法:DNA断片サイズを解析する方法
【コラム2-9】 ダイ・ターミネーター法によるDNAのシーケンス(配列決定)
ハイブリダイゼーション: 特定の配列を検出する方法
【コラム2-10】 マイクロアレイと発現解析
DNA鑑定:DNAによる個人識別
【コラム2-11】 DNAが同じ!個人差判定の例外
遺伝子組換え生物の作製と生体を利用した有用物質の生産
遺伝子を得る方法:クローニングと人工合成遺伝子
発現ベクターのデザイン:遺伝子組換えで活躍する酵素たち
【コラム2-12】 プロモーターって何?
タンパク質工場を用いた医薬品の合成
第3章 ゲノム科学
ゲノム科学の幕開け
ゲノムをどうして研究するの?
ゲノムに書かれた生命の暗号?ゲノムを読むと何がわかる?
ゲノムと体のつくりの関係
【コラム3-1】 一卵性双生児のエピゲノム
あなたと私の差は、たった0.1%のゲノムの違い
遺伝子同士はどのように関わりあっているのか
【コラム3-2】 遺伝子ネットワークの研究?体内時計
【コラム3-3】 ヒトをヒトたらしめているものはなにか?
ゲノムと進化
【コラム3-4】 「僕らの細胞の中には別の生物が!」―細胞内共生説
どこの細胞でもゲノムは全て同じ?-エピジェネティックな制御
ゲノム科学の最新事情
ゲノム解析技術
次世代シーケンサのあゆみ
ゲノム解読の“ショットガン”
次世代シーケンサの登場
ゲノム解読の“モンスターマシン”
パーソナル・ゲノムの時代
次世代シーケンサの応用
ポストゲノム時代のこれから
【コラム3-5】 現代に恐竜を蘇らせる!
ヒトは何を指標に異性を選んでいるのか?
ミラーニューロン
ゲノム科学で人類の進化に迫る
体内時計を“見る”には?
細胞をゼロから合成することで生命の起源を探る
番外編 合成生物学に魅せられた大学生の物語
合成生物学とiGEM
大学入学
iGEMとの出会い
【コラム6-1】 合成生物学とは?
【コラム6-2】 iGEM大会の評価方法とは
iGEMチーム結成
【コラム6-3】 iGEMチーム作り
【コラム6-4】 バイオブリック~合成生物学と部品の規格化~
【コラム6-5】 研究室とは
実験開始
【コラム6-6】 バイオ研究者の不規則な生活
【コラム6-7】 「ウィキ」とは
【コラム6-8】 iGEM大会スケジュール
【コラム6-9】 ボストンとは
【コラム6-10】 生物学研究と英語
iGEM開幕
さぁ、発表だ
iGEM閉幕
帰国、そしてそれぞれの進路
第2部 バイオテクノロジーと社会
第4章 バイオビジネスの現状と未来
なぜ今バイオビジネスなのか
取り残された日本のバイオ
【コラム4-1】 ベンチャー企業の資金調達
バイオ医薬品
バイオテクノロジーがもたらした医薬品の進歩
体の中でつくられるものを再現した薬
血清療法から抗体医薬へ
【コラム4-2】 コンパニオンダイアグノスティックス
バイオと環境
持続可能な社会へむけて
どのようにしてバイオマスから物質生産をおこなうか?
【コラム4-3】 優秀な生産菌をつくりだす
非食用植物利用に向けた研究開発
バイオファイナリー製品の現状
【コラム4-4】 微細藻類によるバイオ燃料生産
バイオと農業
食糧問題の救世主か?生態系を破壊する悪魔か?:遺伝子組換え作物の登場
遺伝子組換え作物について知ろう
DNAマーカー育種って何?
害虫の天敵は農作物の味方:生物を利用した農薬
バイオビジネスの挑戦
ベンチャー企業を取り巻く環境 ~大学と企業の違い~
【コラム4-5】 創薬ベンチャーの種類
大学発ベンチャーをつくる
バイオベンチャーが置かれている状況
これからのバイオビジネス
第5章 生命倫理
なぜ、いま生命倫理なのか
GM作物の開発と普及
GM作物の表記と流通
もう、あなたは食べている
【コラム5-1】 サントリーの青いバラ
【コラム5-2】 カルタヘナ法
【コラム5-3】 遺伝子組換え食品の安全性の確認
ポストゲノム社会の到来…遺伝情報をどう扱うべきか
ゲノムは究極の個人情報?
【コラム5-4】 ガタカ
ゲノムもプチ整形?
【コラム5-5】 ガンダムシード
“ヒト”はいつから“人”なのか…生殖医療と生命倫理
【コラム5-6】 ロボットとアトム
生命科学立国をめざすために
規制は難しい
【コラム5-7】 アシロマ会議
生命科学のリーダーとして世界を牽引するために
【コラム5-8】 インドでの代理母出産
ブレインマシンインターフェース
痩せ薬ってホントにあるの!?
ワクチン
将棋プロ棋士は脳のどこを使っているのか?
長寿の秘訣? -長寿遺伝子-
植物工場
【著者紹介】
1950年石川県生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。理学博士。専攻/分子認知科学(09年4月現在)
内容説明
高校で学んだ生物は、もう古い!新進気鋭の若手研究者たちが、エッセンスをやさしく解説した、最新の「生命科学の教科書」。基礎知識だけでなく、社会でどう役立てられ、どのような問題が起きているか、などを分かりやすく噛み砕いて解説。
目次
第1部 生命科学の最前線(再生医学の夜明け;遺伝子工学;ゲノム科学)
番外編 合成生物学に魅せられた大学生の物語
第2部 バイオテクノロジーと社会(バイオビジネスの現状と未来;生命倫理)
著者等紹介
石浦章一[イシウラショウイチ]
1950年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。理学博士。専門は分子認知科学。難病の解明をライフワークに、遺伝性神経疾患の分子細胞生物学研究を行っている
片桐友二[カタギリユウジ]
1978年生まれ。2010年東京大学大学院博士課程単位取得。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター、同研究所脳科学総合研究センターを経て、現在は社会人学生として民間企業勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。