内容説明
本書では、曲面の運動方程式の新しい数学的解析方法である等高面の方法を、できるだけ予備知識の必要がない形で紹介する。やさしい具体例を用いて解説することをこころがけた。
目次
第1章 曲面の運動を記述する方程式(曲がり方を表す量;曲面の運動方程式)
第2章 等高面の方法による曲面の運動の追跡(等高面方程式;粘性解―1階微分方程式を中心に;一般の運動方程式に対する高等面の方法;広義解の性質)
第3章 その後の進展(他の方法による運動の追跡;等高面の方法の発展;曲面の運動方程式の今後)
感想・レビュー
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kai
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相境界の運動の数学解析について.本書では平均曲率流方程式の解析がメインなので,まずは曲率について簡単に解説するところからはじまる.曲面の運動に伴って発生する特異点についての注意,曲面の運動方程式の特徴について注意した後,粘性解の理論についての解説が続く.比較定理が大事.最後に粘性解の持つ性質,特に「解が太る」ことに関する注意が述べられている.「奇妙なバーベル」の話がとくに印象に残った.広義解と関係のない古典的な幾何の問題が解決できるというのがクール.未解決問題が山積みで地獄(天国?)模様.2013/10/01