内容説明
企業が利潤獲得目標を追求しながら、同時に社会的な責任を果たすことは本当に可能なのか?CSRについての本質的な論点と解決策を提示する。
目次
序章 なぜCSRの終焉なのか?
第1章 ブラインドで覆われた家にようこそ―CSRが見ないもの
第2章 多国籍企業は救世主か?―企業市民論
第3章 ステークホルダー論など「倫理的企業」の夢想
第4章 民衆の新型アヘン―CSRと従業員
第5章 プロパガンダからパラサイトへ?―CSRの批判的政治経済学の確立に向けて
終章 CSRの終焉―新たなはじまり?
著者等紹介
百田義治[ヒャクタヨシハル]
1949年大阪府生まれ。1978年同志社大学大学院商学研究科博士課程を単位取得退学。1993年駒澤大学経済学部教授。2016年日本経営学会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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蓮花
2
CSRの終焉。センセーショナルな書名。書名だけだと終焉の趣旨が想像できない。実際の内容は、現代語られるCSRが企業の都合本位の道具に堕ちていて社会を良くするものと称賛してはいけないという意味で、「終焉」とされる。 和訳がやや読みにくい。しかし、末尾の「監訳者解題」が全てを語る解説となっていて、素晴らしい。また、参考文献が24ページ、索引が18ページとしっかり準備されていて、CSRの辞書になる。CSR、SDGsを無批判に押し付けず評価できる。 本書刊行は2019年4月と新しいが、原書刊行は2013年。2020/05/19