ガラパゴス〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093864329
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

現代の黙示録『震える牛』続編!

警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、身元不明のままとなっている死者のリストから殺人事件の痕跡を発見する。不明者リスト902の男は、自殺に見せかけて都内竹の塚の団地で殺害されていた。
遺体が発見された現場を訪れた田川は、浴槽と受け皿のわすかな隙間から『新城 も』『780816』と書かれたメモを発見する。竹の塚で田川が行った入念な聞き込みとメモから、不明者リスト902の男は沖縄県出身の派遣労働者・仲野定文と判明した。田川は、仲野の遺骨を届けるため、犯人逮捕の手掛かりを得るため、沖縄に飛ぶ。
仲野は福岡の高専を優秀な成績で卒業しながら派遣労働者となり、日本中を転々としていた。田川は仲野殺害の実行犯を追いながら、コスト削減に走り非正規の人材を部品扱いする大企業、人材派遣会社の欺瞞に切り込んでいく。

【編集担当からのおすすめ情報】
ハイブリッドカーは、本当にエコカーなのか?
日本の家電メーカーはなぜ凋落したのか?
ガラパゴス化した現代日本の矛盾をえぐり出す、
危険きわまりないミステリ-!

相場 英雄[アイバ ヒデオ]
著・文・その他

内容説明

ハイブリッドカーは、本当にエコカーなのか?日本の家電メーカーは、なぜ凋落したのか?メモ魔の窓際刑事、再臨場!警察小説史上、最も最酷で哀しい殺人動機。ガラパゴス化した日本社会の矛盾を暴露する、危険極まりないミステリー。

著者等紹介

相場英雄[アイバヒデオ]
1967年新潟県生まれ。2005年『デフォルト(債務不履行)』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サム・ミイラ

385
フィクションとは言え事実だと思わせる内容。あまりに知らなかった派遣労働の実態に怒りがこみ上げる。自動車メーカー発表のデータは眉唾だと知ってはいたが、まさか日本が最も酷いとは思わなかった。ショック。朧げに浮かび上がる失踪人の死の真相。少しづつ真実に近づいてゆく興奮。利権を貪る悪徳警官との水面下の攻防。なぜ彼は殺されなければならなかったのか。田川刑事には何としてもこの男の無念を晴らして欲しい。巨悪に立ち向かって欲しい。久しぶりに感情移入出来る物語に出会った。反撃を期待しつつ下巻へ。頑張れ田川刑事!2017/02/16

starbro

369
3月の1冊目は相場英雄の最新刊「ガラパゴス」です。相場英雄は新作中心に読んでいる作家です。上巻、一気読みです。現代の社会派ミステリー、全盛時の松本清張を想い出しました。著者が新潟県出身で、ほぼ同世代ということを知り、親近感を持ちました。トータルの感想は、下巻読了後に。2016/03/01

yoshida

354
「震える牛」の田川刑事再び。自殺とされていた男が、他殺である事を田川は見抜く。殺害された男を調べる田川は、日本の雇用破壊である人材派遣に辿り着く。現在の日本に蔓延る欺瞞、自動車メーカーの燃費詐称、偽装請負等で働く人間の生き血を吸う人材派遣会社をテーマとする、社会派のサスペンス。漂う空気が宮部みゆきさんの「火車」と似ている。いつから日本はここまで苛烈な国となったのだろうか。規制緩和の美名のもと雇用が不安定になる。私も今の勤務先を馘首されれば、新たな雇用に不安がある。これからの日本の良識を感じる結末を望む。2017/04/29

Yunemo

306
非正規雇用労働者、日本の産業構造という素材で、殺人事件のあり方を問うミステリー、まだ上巻なのにやりきれなさが窺えます。日本社会って、ほんとにガラパゴス化してるんだろうか、渦の中にいると全く見えない事実が浮かびあがってくる感。日本の最先端技術を駆使したハイブリットカー、実態はこうなの?企業と従業員、その他に外注加工費に計上される隠れ人件費、なんだか今の政策の良し悪しが分からなくなってます。とは言っても、作品中に滲み出てる田川警部補の捜査法、ある種の職人芸が自身の気持を高揚させてくれます。それにしても動機は?2016/03/06

しんたろー

303
『震える牛』事件から4年後・・・田川刑事の再登場と、相変わらずメモで手帳を継ぎ 足してパンパンにしながら地道に捜査している姿が嬉しい。上巻は「派遣の過酷な 実態」「エコ減税への警鐘」「自動車業界のガラパゴス現象」の3つが社会性テーマ として絡み合って、殺人事件の根源として描かれている。どんな風に田川が真実に 辿り着き、悪党たちを追いつめてゆくのか・・・相棒の木幡と共に頑張れ!そして、 鳥居刑事の必要悪のような存在が、どうなって行くのかも興味津々。派遣社員の 嘆きや現状を憂慮しながら、下巻へ進む・・・。2017/02/09

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