出版社内容情報
日本における社会主義思想の受容の源流を自由民権期に探り、それがもたらした帝国主義批判の思想と運動の発展を精緻に考察する。
内容説明
明治初年、欧米諸国を震え上がらせる未知の集団についての風聞が伝えられた。彼らは社会党・虚無党と呼ばれ、やがて日本にもその影が立ち現れる。近代世界資本主義システムに対抗するグローバルな運動「社会主義」は、日本においていかに受容・展開されたか。その思想史的意義を問い直す。
目次
近現代日本における「社会主義」概念の展開
第1部 明治国家の成立と社会主義論(自由民権期の「社会党」論と儒学;東洋社会党をめぐる自由民権期の社会主義観;自由民権期のキリスト教界と社会主義;初期民友社の社会・労働問題論と「平民主義」―竹越与三郎を中心に)
第2部 社会主義思想形成の諸相(日本における資本主義批判の出発―社会主義と社会政策論との分岐点;片山潜におけるマルクス主義思想の形成;堺利彦の「家庭」論と社会主義思想の形成)
第3部 帝国主義と社会主義(日清戦後の労働運動と東アジア―「帝国主義」をめぐって;堺利彦における非戦論の形成―「家庭」から帝国主義批判へ;二十世紀初頭における社会主義運動と帝国主義―非戦・人種・アジア)
著者等紹介
大田英昭[オオタヒデアキ]
1974年生まれ。京都大学総合人間学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了。博士(学術)。現在、東北師範大学(中国)歴史文化学院教授。専門は日本近代思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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