出版社内容情報
人間の究極の願いはウェルビーイング(よりよい生)である。最も基本の人間学・生存学「ウェルビーイング学」の構想を提起する。
内容説明
「ウェルビーイング学」とはなにか?ユートピアとか幸福学を志向するのでなく、いかに生きるか、よりよい生とはどういう生で、それはどうすれば実践しうるか…よりよい人生の思索と対策は、究極の「人間学」であり、異質なものが関係し合って開ける楽しみある「生存学」です。(“終”より抜粋・改変)。
目次
緒 よく生きるということ
第1部 個としてのウェルビーイング(ケア―他者とともに生きる作法;老人訓―伝統的ウェルビーイング法;辞世―クオリティ・オブ・ライフの証言;あそぶ・あそばせる―凹型人生知のすすめ)
第2部 場所と関係のつくるウェルビーイング(生活世界を創る場所、コンパクト・シティ;健康な関係を育むウェルビーイング;演劇型社会関係資本が培うウェルビーイング;都市環境がウェルビーイングをみちびく)
終 ウェルビーイングのための生存学
著者等紹介
藤原成一[フジワラシゲカズ]
1937年兵庫県生まれ。東京大学文学部卒。日本大学藝術学部教授。表象文化・表現文化論、日本文化・文学研究を講述。2017年退休。生存科学研究所常務理事。著作活動では一貫して、人間の生きかた、生の質、生存の構造を、個人と集合体の両面から、もっぱら環境や社会、芸術芸能や文芸、思想や宗教を通して考究してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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吉田裕子
2
この書名から期待される内容は、ウェルビーイングとはどういう概念なのか、それがどう研究され、どう世間に受容・実践されているのか、組織や個人においてどう取り入れていくか、といったことであろう。残念ながら、本書にはいずれも登場しない。 西田幾多郎や宮沢賢治、寅さんなど、具体的な例を引きながら、著者の、生き方等についての私見が述べられるのみである。どちらかと言えば、哲学や民俗学に近い。最初からそう割り切って読めば、興味深く読める部分もありそうだが、読みやすい文章ではない。このタイトルを付けた出版社への恨みが深い。2021/06/20