出版社内容情報
チャンギー刑務所で数多くのBC級戦犯死刑囚に寄り添った青年教誨師の活動の軌跡を通して「普通の人々にとっての戦争」を考える。
内容説明
世代を超えて託された比類なき歴史の証言。シンガポールで兵士として終戦を迎えた関口亮共は、戦犯裁判の開始後、チャンギー刑務所で教誨師を務め、多くの死刑囚を見送った。本書は、亮共が住職を務めた天台宗・明長寺の本堂の奥で発見された当時の文書から、元BC級戦犯死刑囚の手記と、刑死者の遺族から寄せられた手紙を世に公開するために、亮共の教え子と孫によって編纂されたものである。
目次
「手記」と「手紙」の発見
亮共の略歴と人となり(関口亮共略年譜;戦地から家族に宛てた手紙;教師・亮共)
チャンギー刑務所に亮共を辿る(若松斉氏によって描かれた姿;『世紀の遺書』と教誨師・亮共;亮共筆教誨師面談記録―『印度洋殉難録』より抜粋)
「明長寺資料」(チャンギー編(ノンフィクションエッセー「秋の日」―作者は亮共か;阿部宏元鉄道第五連隊・中尉の手記;Pホール(死刑囚房)より生還した受刑者からの便り)
日本編)
著者等紹介
布川玲子[フカワレイコ]
1944年生まれ。捜真女学校高等学部を経て、早稲田大学政治経済学部(政治)卒業、早稲田大学大学院法学研究科修士課程(法哲学専攻)修了、博士課程単位取得満期退学。1988年山梨学院大学法学部教授、2012年定年退職
伊藤京子[イトウキョウコ]
1980年、神奈川県川崎市の天台宗明長寺に生まれる。本書で紹介する長明寺16世住職亮共の孫。1999年3月雙葉高等学校卒業、2000年4月東京芸術大学美術学部建築科に入学、2006年3月同大学中退。2002年に得度、続いて比叡山の行院にて60日間の修行を満業。法名は亮樹。現在は兄・亮寛が住職を務める明長寺で裏方として働く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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