出版社内容情報
伊藤博文を射殺した独立運動家・安重根が獄中で記した「東洋平和論」。日中韓の研究者が安重根の思想の今日的意義を共同研究。1909年、前韓国総監・伊藤博文を射殺した大韓帝国時の独立運動家・安重根が獄中で記した「東洋平和論」。日中韓の研究者が安重根の思想の今日的意義を共同研究。
序文/李 泰鎭
解題──安重根の行動と思想が現代日本につきつけるもの/勝村 誠
第1部 安重根の独立戦争をめぐって
第1章 安重根のハルビン義挙100周年の省察──安重根研究が進むべき道/尹 炳?(Yun Pyong-suk)
第2章 安重根の義兵運動/呉瑛燮
第3章 安重根のハルビン義挙と高宗皇帝/李 泰鎭
第4章 安重根裁判の不法性と東洋平和/戸塚悦朗
第5章 安重根家門の百歳遺芳と忘却至大/都 珍淳
第2部 安重根と東洋平和論
第1章 韓国近代東洋平和論の起源および系譜と安重根/徐 栄姫
第2章 未完の「東洋平和論」──その思想水脈と可能性について/山室信一
第3章 日本の拡張主義と安重根の東洋平和論/徐勇
第4章 安重根の東洋平和論の再照明/李 泰鎭
第5章 安重根の裁判──安重根とカントの思想の比較研究/笹川紀勝
第3部 安重根と中国・日本
第1章 中国人が書いた安重根に関する著作物と彼らが安重根に抱いた3つのイメージ/王 元周
第2章 安重根義挙の中国に対する影響とその評価/崔 峰龍
第3章 日本における安重根研究の現況と課題/康 成銀
勝村 誠[カツムラ マコト]
立命館大学教授政策科学部教授、立命館大学コリア研究センター長
安重根東洋平和論研究会[アンジュングントウヨウヘイワロンケンキュウカイ]
李 泰鎮[リ テジン]
ソウル大学名誉教授(2016.09現在)
安重根ハルピン学会[アンジュングンハルピンガッカイ]
内容説明
安重根が遺した「東洋平和論」が現代日本に問いかけるものは何か。1909年10月26日、ハルピン駅構内で前韓国統監の伊藤博文を銃殺した安重根。日本は「犯罪者」とするが、韓国、中国では「抗日の精神的シンボル」と評価される。この歴史認識の深い溝は、現代日本の東アジア認識とも重なり合う。本書は、日・韓・中の研究者が安重根の独立闘争と「東洋平和論」に焦点を当て安重根の行動と思想を考察し、日本の植民地支配と歴史認識を改めて問う。
目次
第1部 安重根の独立闘争をめぐって(安重根のハルピン義挙100周年の省察―安重根研究が進むべき道;安重根の義兵運動;安重根のハルピン義挙と高宗皇帝;安重根裁判の不法性と東洋平和―1905年「韓国保護条約」の効力との関わり;安重根家門の百歳遺芳と忘却地帯)
第2部 安重根と東洋平和論(韓国近代東洋平和論の起源および系譜と安重根;未完の『東洋平和論』―その思想水脈と可能性について;日本の拡張主義と安重根の東洋平和論;安重根の東洋平和論再照明;安重根の裁判―安重根とカントの思想の比較研究)
第3部 安重根と中国・日本(中国人が書いた安重根に関する著作物と彼に抱く三つのイメージ;安重根義挙の中国に対する影響とその評価;日本における安重根研究の現況と課題)
著者等紹介
李泰鎭[イテジン]
ソウル大学名誉教授
勝村誠[カツムラマコト]
1957年、大阪府守口市生まれ。立命館大学政策科学部教員(1999年度~現在)、立命館大学コリア研究センターセンター長(2011年度~現在)。中央大学大学院法学研究科博士課程後期課程満期退学。専門は政治学(日本政治史・東アジア国際政治史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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