ちくま新書<br> 病いの哲学

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ちくま新書
病いの哲学

  • 著者名:小泉義之【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 筑摩書房(2014/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480063007

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内容説明

末期の状態にある人は死ぬほかないーー。死の哲学はそう考える。これに抗し、死へ向かう病人の生を肯定し擁護すること。本書はプラトン、パスカル、デリダ、フーコーといった、肉体的な生存の次元を肯定し擁護する哲学の系譜を取り出し、死の哲学から病いの哲学への転換を企てる、比類なき書である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

井月 奎(いづき けい)

32
優れた思想書は読み手の思想を一度解体して再構築させます。その際に形よく、または意識的にいびつになるように気付きを与えるのです。本書は数人の偉大な思想家、哲学者の書から生と死の関係と死の意味をとりだして吟味して、命ありき、生ありきの考え方を貫いており、考えが深く鋭くなると陥りがちな細部へのこだわり、死への甘美な誘惑、を断ち切ろうと筆を走らせて、死は結末ではなく、その死から何かを汲みだすことが命の意味であり、生きている者の責任であると説きます。覚悟を持ち、思考を厭わない。それが自分を自分たらしめるのです。2016/01/03

msykst

8
さすがに長くなったのでこちらで。 http://d.hatena.ne.jp/msykst/20170222/1487723117 要するに、ソクラテス、ハイデッガー、レヴィナスを引き合いに、哲学が伝統的に「生と死」という二分法に則って議論をしていた事を批判した上で、「病人の生」を肯定しようとする本です。ともすれば臨床やケーススタディみたいな「現場」の話に基いて論じられる尊厳死や安楽死について、徹頭徹尾哲学的に突き詰める感じには、結構感動と凄みを覚えたです。2017/02/21

まつゆう

4
この筆者の本は一通り読んだが「生殖の哲学」と併せて、かなり応用・先端倫理に「寄せている」印象を受ける。ただ知識欲を満たしたいがため(明け透けにいえば哲学をかじって知的な自分にならんとするため)に読むのはお勧めしない。筆者の念頭の思い―哲学の言葉で語ることで、何を守り、誰に代わり訴え、何を批判しているか、(病者の生、誰かの自由を奪いながら、生命を消すことは許されないという信条、また、現実には誰かの命で飯を食っている奴がいるという事実の糾弾のため、と個人的には読んだ)を追走して読み、そして使うことが肝要かと。2014/09/06

瀬希瑞 世季子

2
読了後、TENG GANG STARの「きっと」を聴くとこの本が目指す光景がちょっと見えるかもしれない。 https://youtu.be/5bKW9JXc1is2023/07/15

ブラタン

1
2回目の挫折。1回目は10ページほどで挫折。今回は2章まで読んだが気分が悪く、それ以上読めなかった。先達の言葉を借りないと、自分の主義主張も述べられないのか?「生と死の二者択一」と言うが、誰もそんなことを考えていないだろう。「生」を考えれば、当然「死」を考えるであろうし、その状況になれば「死へ向かおうとする生」や「病人の生」も考えるであろう。ただそれだけのことではないか?目くじら立てて「生」や「死」にこだわっているのは作者自身ではないか!「未知生、焉知死」。2012/02/12

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