出版社内容情報
石橋湛山の経済思想、および、戦後石橋が蔵相、首相として行おうとした経済政策について、文献を読み解きつつ明らかにすることによって、石橋に対する誤解を解いていく。石橋の昭和恐慌理解が、いかに同時代の水準を抜く現代的なものであったかを示し、現在のデフレ対応の政策について、石橋が今生きていたらどのような発言をしたかも考える。
内容説明
石橋が正しく評価されていれば日本はデフレに陥らなかった。石橋湛山の昭和恐慌に対する正しい理解と提言はなぜ歴史から消えたのか。経済においても人間と資本の活用こそが最も重要という信念はなぜ伝わらなかったのか。文献とデータを丹念に追い、その謎を解き明かす。
目次
第1章 石橋湛山の昭和恐慌理解
第2章 石橋湛山の昭和恐慌理解はなぜ葬られたのか
第3章 石橋湛山の昭和恐慌理解とケインズの金融理論
第4章 戦後インフレーションは石橋湛山の責任か
第5章 石橋湛山なら現在の金融政策をどのように考えるか
第6章 なぜ傾斜生産方式が有沢広巳の業績になったのか
第7章 石橋湛山と太平洋会議―人口問題を中心に
結論 石橋湛山の経済政策思想とは何か
著者等紹介
原田泰[ハラダユタカ]
名古屋商科大学ビジネス・スクール教授。1950年東京生まれ。1974年東京大学農学部農業経済学科卒業。経済企画庁入庁、同庁国民生活局国民生活調査課長、調査局海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長、株式会社大和総研専務理事チーフエコノミスト、早稲田大学政治経済学術院教授、日本銀行政策委員会審議委員などを経る。学習院大学経済学博士。主著『昭和恐慌の研究』(岩田規久男他共著、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本国の原則』(石橋湛山賞受賞)など
和田みき子[ワダミキコ]
近代史研究家、明治学院大学社会学部付属研究所研究員。1951年福岡生まれ。1975年早稲田大学第一文学部社会学科卒業。コピーライターとして働く傍らフィリピン・ミンダナオにて保健プログラムに参加。NGO「アジア井戸ばた会」を設立し日本の上総掘り技術を現地に伝える。助産師資格取得後フランスの産院にて研修。明治学院大学社会学博士。「1920年代の都市における巡回産婆事業―経済学者、猪間驥一の調査研究を通して」にて第4回河上肇賞奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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