出版社内容情報
リフレ政策を支えている通説に対し、GDPやお金とは何か、から丁寧に解説しつつ、“正しい”金融のメカニズムを提示する。
第1章 我々はいま何処にいるかーー日本経済の現状
第2章 実体経済の仕組みーー付加価値創成とその循環
第3章 金融機能の正しい理解ーー悪しき二分法を超えて
第4章 金融政策の効果と限界
第5章 金融システムの全貌と政策対応ーーモデルの変容・現実化
第6章 低圧環境下の日本経済
第7章 新しいフロンティアを求めてーー政策はどう立ち向かうべきか
【著者紹介】
元日本銀行監事
目次
第1章 我々はいま何処にいるか―日本経済の現状
第2章 実体経済の仕組み―付加価値創成とその循環
第3章 金融機能の正しい理解―悪しき二分法を超えて
第4章 金融政策の効果と限界
第5章 金融システムの全貌と政策対応―モデルの変容・現実化
第6章 低圧環境下の日本経済
第7章 新しいフロンティアを求めて―政策はどう立ち向かうべきか
著者等紹介
横山昭雄[ヨコヤマアキオ]
1935年生まれ。名古屋大学経済学部卒。イェール大学大学院修士(M.A.)。1958年に日本銀行入行。営業局次長、電算情報局長、考査局長を経て、同行監事。1990年以降、ちばぎん総研社長、岐阜銀行頭取、短資協会会長を歴任。愛媛大学、千葉大学、佐賀大学等で講義を受け持つほか、金融財政事情研究会等で講演多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
14
著者は日本銀行考査局長などを歴任された日銀マン。金融の最前線での経験をもとにアベノミクスの肝、黒田東彦日銀現総裁の量的緩和政策がなぜうまくいっていないのかを論じる。従来の金融論には欠陥があることを指摘。複式簿記の考えを参照しつつ「銀行はどうして企業にお金を貸し付けるのか」「企業はどうして銀行からお金を借りるのか」と言う基本に立ち戻ってお金の巨視的な流れを考えるべきであることを説く。現在流布している経済理論には横山さんのこの考えは反映されていないため欠陥が生じていることが良く理解できた。2021/08/07
sanmainuki
4
信用創造についてこれ以上解説した本はないのではないか。マネタリーベースを増やしてもマネーストックは増えない解説も充実しておりQEを批判している。あとがきで簿記三級の取得を推奨しており、私も信用創造を理解するには複式簿記の知識が必要だと思う。 しかしAmazonレビューにてさすらい人という方が金の本質に迫りきれていないと批判しており、その批判には全面賛成。2020/11/22
駒場
3
黒田体制前の日銀マン的考えを知るならこの一冊、とでも言える力の入った本でした。表紙の感じがまるで高校生レベルの知識でも読めるかのようなミスリードしてるけど、ある程度これまでの経済・金融の知識がある人向けのような。「おカネは経済好転の必要条件ではあるけど十分条件ではない」という、大多数の中央銀行関係者の考えを述べたもので、マネーストックや信用というのはベースマネーの増加によって外生的に増えるものじゃなくて寧ろMS供給に合わせてbM需要が決まり、それが跳ね返ってMSに影響する「内生的信用拡張」が主張のメイン2016/07/24
がんちゃん
2
証券アナリストジャーナル読書室で推薦の本。そもそも、ベースマネーの供給が金融緩和にならないこと、低圧成長において何をすべきか非常に分かりやすく解説している。昨今、ヘリコプターマネーがクローズアップされており、我々が根本的な理解をしないと大変なことになる。(もうなっているかも)2016/06/17
huyukiitoichi
2
これはかなりしっかりとした本2016/03/29