内容説明
90年代のバブルの崩壊と一部金融機関の破綻は、日本の金融システムや金融機関の特徴と問題点を浮かび上がらせた。それは端的に言えば、厳しい規制と自由な市場の要求の相剋に原因が求められる。新しい金融システムの構築のために解決すべき課題は何か。その一つの代表は規制の再構築と組織としての金融機関の経営の行動原理の解明であり、一つは金融市場での価格形成の変化である。残された重要な課題は、今後も間違いなくその重要性を増すであろう資本市場の機能のある方である。
目次
序章 金融業における市場原理と規制論理の相剋
第1章 銀行の規制大系―金融システムの安定政策、モラル・ハザード、市場の規律
第2章 戦後型金融規制の再編成―金融制度改革と独占禁止法
第3章 生保に対する規制・監督―ソルベンシー確保と相互会社
第4章 日本企業の株式持ち合いと企業支配
第5章 日本の企融機関の資金調達コストの計測とその経済的意義
第6章 日本における貸出金利の変動パターンについて―リスクシュアリングとフルコスト原理
第7章 貸出サイズと銀行の規模の経済性
第8章 日本の新規株式公開市場に関する実証分析
第9章 直利指向の再検証
第10章 日本におけるマルチ・ベータ資産価格決定モデルの検証



