出版社内容情報
従来のマクロ経済理論の数学的論理構造を批判的に分析した上で、社会会計の数学的論理構造に基づき、マクロ経済理論を再構築する。
【目次】
第0章 マクロ会計学とは何か
0.1 はじめに
0.2 経済学と会計学の基本的枠組みの違い
0.3 会計恒等式と構造方程式の数学的論理構造上の矛盾
0.4 ミクロ的基礎から会計的基礎へ
0.5 付録:マクロ会計学における複式簿記の基礎
【第1部 貨幣論】
第1章 マネーとは何か
1.1 3つの貨幣観
1.2 資産としてのマネー:商品貨幣説
1.3 銀行の負債としてのマネー:信用貨幣説
1.4 政府の資本としてのマネー:シニョリッジ
第2章 金利とは何か
2.1 金融資産の収益率としての金利
2.2 資本移転取引としての金利
2.3 金利の影響
2.4 金利が生み出す資本主義のダイナミズム
第3章 非伝統的金融政策
3.1 複式簿記で見るマネタリーベースとマネーストックの関係
3.2 日銀当座預金への付利
3.3 日銀当座預金の増減要因
3.4 ゼロ金利政策
【第2部 資本蓄積論】
第4章 資本蓄積のメカニズム
4.1 SNAにおける勘定連絡と会計恒等式
4.2 資本蓄積を記述する5本の会計恒等式
4.3 実体的資本蓄積による国民所得の拡大再生産
第5章 実体的資本蓄積の2つのファイナンス方法
5.1 貯蓄(自己資本)による投資
5.2 投資の一般理論
5.3 借入による投資の特殊理論
5.4 付録:実物面での需要・供給(構造方程式)モデルの誤り
第6章 資本・金融勘定と国際収支
6.1 純貸出(+)/純借入(-)
6.2 グローバル・インバランス
【第3部 統計的実証分析】
第7章 バブル崩壊、金融危機、そしてデフレ
7.1 バブル崩壊を語る調整勘定
7.2 金融危機を語る金融勘定
7.3 デフレ
7.4 長期停滞から脱却するための処方箋
第8章 29年間(1994-2022年)のSNAの推移
8.1 資本蓄積(ΔK)
8.2 マネーストック(M)
8.3 資本蓄積(ΔK)とマネーストック(M)
8.4 貯蓄(S)と投資(I')
8.5 29年間(1994-2022年)の日本経済の変遷
【第4部 行列簿記論】
第9章 信用連関会計恒等式(AICI)モデル
9.1 分析の目的
9.2 分析方法
9.3 信用連関会計恒等式(AICI)モデルの設計思想
第10章 信用連関逆行列分析
10.1 財政・金融政策に伴う金融係数行列、信用連関逆行列の変化
10.2 シナリオ設定
10.3 信用連関逆行列シミュレーション結果
10.4 信用連関逆行列分析の総括