出版社内容情報
回帰モデルを用いたデータ分析は基本的で有用である反面、回帰変数の選択が恣意的になったり、回帰式の設定が不適切になったりするなどの問題も抱えている。本書は、これらの問題に対して、統計学者や計量経済学者がどのような解決策を考えてきたのか、分野の発展の歴史をたどりながら解説する。特に近年、機械学習の手法を取り入れることで従来の統計学では扱えなかった問題に対処できることも多くなった。分析者の恣意性を極力排除したデータ駆動型の回帰分析の可能性を、理論的な側面から考える。
内容説明
奥深い回帰分析の世界へ。分析者の恣意性を極力排除したデータ駆動的(data‐driven)な回帰分析の可能性を探る。
目次
第1章 回帰分析の課題
第2章 変数選択
第3章 ノンパラメトリック回帰
第4章 セミパラメトリック回帰
第5章 回帰木とアンサンブル学習
第6章 正則化法
第7章 変数選択後の統計的推測
著者等紹介
末石直也[スエイシナオヤ]
1979年生まれ。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。ウィスコンシン大学経済学部博士課程修了(Ph.D.in Economics)。京都大学大学院経済学研究科講師、神戸大学大学院経済学研究科准教授を経て、2019年より、同研究科教授。専門は計量経済学、統計学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ONE_shoT_
1
最近の計量経済学における回帰分析がどうなっているか気になって読んだ一冊。通読したがなかなか難易度が高かった。2025/01/10
0
モデルや変数選択の恣意性に焦点を当てる問題意識がすごいいい。統計でも医学・経済学・工学ではかなり差があるが、「使えるものは何でも使う」という横断的な内容もいい。回帰分析を軸に、Lasso、回帰木、セミパラ等新しい話題も含む。話の流れもいい。§7は他に類を見ないと思う。経済の人はやはり処置効果が気になるらしい。他にも、統計量の性質や、一様性に重点が置かれている。ただ如何せん難しい。式変形とかもそうだが、そもそもテーマが詰め込まれているので、サーベイ論文みたいになっている箇所もある。半分も理解できただろうか…2025/02/15