出版社内容情報
悪しき司法積極主義と評される19~20世紀初頭のアメリカ憲法理論に、コモン・ローの思想と実践が存在していたことを明らかにする。
内容説明
アメリカ憲法の知られざる出自を明らかにする。19世紀から20世紀初頭のアメリカ憲法理論にコモン・ローの思想を見いだす歴史的研究。
目次
第1部 思想(伝統的コモン・ロー理解とその変容;歴史法学派の法思想)
第2部 実践(制憲期から南北戦争前後における憲法論とコモン・ロー;Lochner期におけるコモン・ローと憲法の連関)
第3部 批判(革新主義)
著者等紹介
清水潤[シミズジュン]
2006年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。2016年米国テネシー州弁護士登録。中央大学法科大学院助教、UCLA客員研究員、崇城大学准教授などを経て、白鴎大学法学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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261bei
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経済的自由を神聖化して労働者保護立法を不可能にしたと悪名高いロックナー対ニューヨーク連邦最高裁判決(1905年)に代表される、20世紀前半までのアメリカの憲法思想がイングランドの伝統的なコモン・ローに基礎を置いていたということを丹念に追跡した書。ロックナー批判で名高いパウンドは、当時の法思想がそのような基礎を有することを的確に見抜いており、コモン・ローと憲法を切断して社会経済立法を救おうとした。しかし、その結果としてロックナー判決の内在的理解が後世の人にとって不可能になってしまったわけである。2025/04/28